二大宗教の「聖なる季節」重なる 「灰の水曜日」、明日から「ラマダン」
カトリックの「灰の水曜日」が18日、イスラム教の断食月「ラマダン」が19日から始まる
フィリピンでは18日、カトリック教徒が「四旬節」の始まりを告げる「灰の水曜日」を迎える一方で、イスラム教徒の聖なる月「ラマダン」が翌19日から開始されることが決定した。国内の二大宗教による断食と節制の期間がほぼ重なるのは異例で、多宗教国家フィリピンにおける「結束と慈愛」を象徴する数週間が始まる。
18日の早朝から、首都圏をはじめとする各地の教会には多くのカトリック教徒が集まった。ミサでは司祭が信者の額に灰で十字を記し、「あなたは塵であり、塵に帰ることを忘れないように」と語りかけた。これにより、復活祭(イースター)までの40日間にわたる四旬節が本格的にスタートした。信者は金曜日の肉食を控えるほか、断食や施しを通じて、キリストの受難に思いを馳せる日々を過ごす。
一方、国家イスラム教徒委員会(NCMF)は17日夜、新月の観測(ヒラール)において月の姿が確認されなかったとして、イスラム暦1447年のラマダンを19日から開始すると正式に宣言した。
イスラム教徒にとってラマダンは、日の出から日没までの飲食を断ち、自己規律を高め、貧しい人々への共感を深める神聖な月である。19日の夜明けとともに比全国で一斉に断食の月が始まることになる。
マルコス大統領は18日、国民に向けた特別なメッセージを発表。「キリスト教徒とイスラム教徒、それぞれ信仰の形式は異なっても、目指す『忍耐、謙虚さ、他者への奉仕』という価値観は共通している」と述べ、国家の結束を深める契機とするよう呼びかけた。
比では今後約1カ月間、ビジネスや日常生活の各所で宗教的な配慮がなされる。特にラマダン期間中のミンダナオ島では、公共機関の勤務時間の調整や、夕食(イフタール)の振る舞いなどが予定されている。



