バンサモロ自治区の漁業支援を強化 日本、持続可能なバリューチェーン構築へ
日本政府はFAOと連携し比BARMMにおける水産・養殖業の生産性と強靭性向上に向けた取り組みを加速
日本政府は、国際連合食糧農業機関(FAO)と連携し、フィリピンのムスリム・ミンダナオ・バンサモロ自治区(BARMM)における水産・養殖業の生産性とレジリエンス(強靭性)向上に向けた取り組みを加速させている。2025年に署名された2年間のプロジェクト「バンサモロ自治区における持続可能な漁業バリューチェーン開発」が本格化し、現地の食料安全保障と経済振興の柱として期待が集まっている。
本プロジェクトは、フィリピン国内でも有数の漁業ポテンシャルを持つBARMMにおいて、持続可能な地域のバリューチェーンを構築することを目的としている。具体的には、小規模生産者への能力構築支援をはじめ、ナマコ、藻類、アワビといった高付加価値種の養殖促進、加工プロセスの改善、関係者のスキル向上を包括的にサポートする内容だ。
プロジェクトの進捗確認のため、在フィリピン日本国大使館の一等書記官が10日、タウィタウィ州の関連施設を訪問。パンリマスガラ町のヌルバート・サハリ町長ら地方自治体(LGU)関係者を表敬訪問し、プロジェクトが地域社会に具体的な利益をもたらして長期的な発展を支えるためには、自治体との緊密な連携が不可欠であることを強調した。
続いて同書記官は、パンリマスガラ町カハラを訪れてプロジェクトの支援によって設立されたナマコ、藻類、アワビなどのコミュニティ・ベースの海水養殖場を視察。現地の漁業者団体と意見交換を行った。また、ボンガオにあるBARMM農業・水産・農地改革省(MAFAR)所有の淡水養殖場にも足を運び、プロジェクトを通じて進められている施設の改修状況を確認した。
一連の視察の中で同書記官は「これらの施設は、持続可能な養殖を推進し、市場との連携を強化する上で極めて重要な役割を果たす」と述べた。また、効果的な海洋資源管理が、食料安全保障の強化や住民の生計向上、さらには地域全体のレジリエンス構築に直結することを改めて指摘した。
日本の技術と支援によるこの取り組みは、紛争の影響を乗り越え、「平和の定着」を目指すバンサモロ地域の自立に向けた大きな一歩となっている。


