習熟度基準に達しない高3生徒が99% 小3から始まる学力低下に歯止めを
わが国の学習危機は依然として続いている。ビジネス界のリーダーらで構成されるアドボカシー団体「フィリピン・ビジネス・フォー・エデュケーション(PBEd)」が発表した『フィリピン教育報告書』によると、2024年の全国学力テスト(NAT)を受験した12年生(日本の高校3年生)の99・53%が、中核となる能力において習熟度基準に達していなかった。習熟または高度習熟と分類されたのはわずか0.47%にとどまった。
PBEdは、最近の教育改革にもかかわらず、学習格差が依然として存在しているとし、基礎教育の強化により学習の遅れを取り戻す取り組みを政府に求めた。これは、読む、書く、聞く、話すという4つの基本技能を指していると考えられる。それに加え、いわゆる「視聴」という新しい技能も含まれる。これは、映画やドキュメンタリーといったマルチメディア教材を指し、教育において不可欠なツールとなっている。
ソニー・アンガラ教育相は最近、全国の公立学校で続くスクールカウンセラーの不足を受け、教師に対し、生徒の様子を注意深く見守るよう呼びかけた。「生徒が落ち込んでいる様子を見せたり、長期にわたり欠席したり、学業成績が急に低下したり、クラスメートとの交流を絶ったりする場合は、学校内での暴力行為が起きる可能性を示す兆候であるる」とも付け加えた。
教育省の最新データによると、公立学校ではスクールカウンセラーやコーディネーターのポストに4000件以上の欠員がある。同氏は、教育省が専門免許を必要としない「スクールカウンセラー補佐」を1万人採用していると付け加えた。
アンガラ氏はまた、教育省が公立学校を対象にセキュリティ監査を実施した結果、安全対策の不備が判明したと述べた。多くの学校には警備員がおらず、フェンスや防犯カメラ、金属探知機も依然として不足している。同氏によると、教育省は地方自治体、内務自治省、国家警察、およびバランガイ(最小行政区)と連携し、セキュリティの強化に取り組んでいるという。
同氏はまた、公立学校の保健室における、看護師や医師の不足も認めた。この発言は、首都圏のラスピニャス国立高校で刺殺された13歳の生徒の遺族が、同校の保健室に看護師がいなかったと訴えたことを受けて行われた。同氏は、教育省が、保健省およびフィルヘルス(比健康保険公社)に支援を求めていると語った。
これに対し「懸念を抱く教師同盟(ACT)」は、すでに過重労働で低賃金に苦しむ公立学校の教師たちに、さらなる責任を押し付けようとしているようだとして批判した。ACTのルビー・ベルナルド会長は、「看護師や警備員、スクールカウンセラーの役割を果たすことは、教師の仕事ではない」「教師たちは、授業や事務作業のせいで、すでに過重労働で低賃金に苦しんでいる。それなのに、どうして彼らが機能不全に陥ったシステムの救世主になれというのか」と述べた。
教育省にとって痛手となったのは、学力の低下が小学3年生から始まり、その後の学校生活を通じて進行し続けるという調査結果だった。1年生と2年生の得点はまずまずの水準だった。これは、1年生と2年生の生徒に母語で教科を教える「母語に基づく学習」プロセスの成功を示す事例と言える。もはや、自分たちの土壌――そして魂――に根ざしていない英語で、言葉を探し回る必要はなくなったのだ。
いずれにせよ、教育省があらゆる対策分野を網羅するには、1兆ペソ以上の予算が必要であるようだ。(8月11日・マニラタイムズ社説)








