【再掲載】少年劇団が降伏式再現 ネグロス戦勝80周年記念式典
西ネグロス州バコロド市で、旧日本軍に対する戦勝80周年記念式典が行われ、地元少年劇団が劇を披露
※この記事は2025年9月13日にまにら新聞で掲載されたものを、筆者の了解を得て再掲載したものです。
ネグロス島地域西ネグロス州バコロド市で9日、第二次世界大戦中の旧日本軍からの解放を記念する「ネグロス島勝利の日」80周年式典が州庁舎で行われ、退役軍人や遺族、地元自治体関係者や住民らが参列した。日本政府の代表は不在だった。式典での解説によると、同島では河野毅中将指揮下約1万3500人の日本兵が降伏しており、当日の式典では少年劇団が降伏儀式を再現した。式典が行われた西ネグロス州庁舎は日本占領期に日本軍の司令部が置かれていたという。
▽州知事が演説
式典では西ネグロス州の公式讃歌「ネグロス讃歌」と比国歌が歌われた。ラクソン州知事は冒頭演説で、自由のために戦った先人たちの勇気と犠牲に深い感謝を表明した。「皆さんの揺るぎない勇気と献身は、世代を超えて勇気の規範となるもの。今日享受している自由は、想像を絶する犠牲の上に築かれたものだ。」と強調した。
さらに、同知事は「我々にできることは、自由を尊び、民主主義を守り、団結と平和に尽くし、あなた方(退役軍人)の勇気によってもたらされた勝利の物語を決して忘れないことだ」と述べた。知事の演説後に第二次大戦退役軍人記念碑への献花と礼砲が行われ、国旗掲揚が続いた。
同大戦の退役軍人はすでに多くが亡くなっており、式典では戦後のミンダナオ島内の軍事作戦や、カンボジアでの国連平和維持活動に従事した退役軍人などが参列した。参列した退役軍人によると、同州で唯一存命であった第二次大戦期の元兵士は昨年101歳で亡くなったという。退役軍人らは式典後の州庁舎での昼食会で旧交を温めた。
▽地元少年劇団が歴史的場面を再現
式典後半では、ムルシア国立高校劇団による降伏儀式を再現した演劇の発表も行われた。降伏儀式が同州ムルシア町で行われたことにちなんだもの。原作は同州出身の歴史家モデスト・サオノイ氏が執筆。同氏はムルシア町の戦没者慰霊碑の建立にも尽力した。
上演では、衰弱した日本兵らが降伏儀式に向けて行進し、到着後に連合国側に日本刀を献上する場面が描かれた。また、史実に基づき、降伏式典中に河野中将が倒れ、連合軍兵士に介抱されながら病院に搬送される場面も描かれ、双方の兵士が助け合い戦争終結に至るドラマが再現された。上演の最後では、比米日韓の国旗が掲げられて幕を閉じた。(川上佳風)



