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籾米価格が全国的に上昇 昨年末からの回復基調鮮明に

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農務省は、大統領が昨年9月から12月にかけて実施した米の輸入一時停止措置により全国の籾米農家渡し価格が上昇したと発表

籾米価格と小売価格の推移

 農務省(DA)は、マルコス大統領が昨年9月から12月にかけて実施した米の輸入一時停止措置により、全国の籾米(パライ)の農家渡し価格が上昇したと発表した。供給過剰が解消されたことで農家の交渉力が向上し、深刻な価格低迷から脱しつつある。

 統計局(PSA)のデータによると、籾米価格は2023年から24年の乾季にかけて1キロあたり25ペソを超える高値で推移していた。しかし、24年後半に米の関税が35%から15%に引き下げられたことで輸入量が急増。2025年には供給過剰に陥り、価格は一時14~16ペソまで下落した。地域によってはコスト割れの8ペソを記録する地域もあり、農家の困窮が深刻化していた。

 今回の輸入停止措置を受け、25年9月に15・80ペソだった平均価格は、12月には18ペソ台まで回復。さらに26年に入っても上昇は続き、1月下旬には18・42ペソに達した。これは、輸入停止前の9月上旬と比較して約28%の上昇となる。

 ラウレル農務相は価格回復について「過去数年間の過度な輸入が国内市場に与えた影響を浮き彫りにした」と指摘。24年の米輸入量は480万トンに達し、国内の必要量を100万トン以上上回っていた。

 国家食糧庁(NFA)のラクソン長官も、政府の財政支援を抑えつつ市場原理で価格が回復したことを歓迎している。一方で、農家渡し価格の上昇は、高値が続く消費者価格のさらなる上昇を招くリスクもはらんでいる。

 政府は今後、26年1月から導入された「価格連動型関税システム(フレキシブル関税)」を活用し、国際価格の変動に応じて関税率(15~35%)を調整。農家の利益保護と消費者の負担軽減の両立を図る方針だ。

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