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『鳳梨の織糸』英語版を森鴎外記念会に贈呈 19世紀の比の抒情風景描く

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歴史小説『鳳梨の織糸』の英語版を作者の川上佳風氏が森鴎外記念会に贈呈

『鳳梨の織糸』英語版を贈呈する作者の川上佳風氏(右)と倉本幸弘氏、「森鴎外記念会通信」編集責任者)(左)
『鳳梨の織糸』英語版を贈呈する作者の川上佳風氏(右)と倉本幸弘氏、「森鴎外記念会通信」編集責任者)(左)=森鴎外記念館=東京都文京区

 19世紀の比を舞台とした日本語の歴史小説『鳳梨の織糸』の英語版が12日、森鴎外記念会=東京都文京区=に贈呈された。川上佳風氏による日本語原作は昨年11月から森鴎外記念会通信に連載開始。英語版は今年2月に舞台地の西ネグロス州で刊行された。

 『鳳梨の織糸』は19世紀末の西ネグロス州の古都シライを舞台に、ドイツでの西洋留学を終えた青年が帰郷し従姉妹ルイーゼと再会、家族愛を深める短編抒情小説。全編にわたり雅文体で書かれている。歴史的建築が多く残るシライ市はユネスコ世界遺産候補にも指定されている。

 倉本幸弘氏(森鴎外記念会通信・編集責任者)は、「森鴎外とフィリピンの英雄ホセ・リサールは同時代人。ともに医学者、文学者として母国に貢献した人物。鴎外は文語で欧州を描いたが、川上氏の作品は鴎外の「文づかい」を思わせ、見事な雅文体でフィリピンを描いている。連載を通じてこの作品がさらに広まってほしい。」と語った。

 川上佳風氏は、「19世紀末の比はスペイン語、現地語、英語など様々な言語が共存していた。当時の人々の抒情風景を日本の文語で書くことで、一つの表現を与えたい。」と、雅文体執筆の背景を語った。

 日本語版は森鴎外記念会から入手可能のほか、英語版The Holy Threadは舞台地シライと西ネグロス州立博物館などで展示販売されている。

 森鴎外記念会は1949年に設立された学術任意団体。研究誌『鷗外』と、会報『森鷗外記念会通信』の発行を通じて、森鷗外の研究及び顕彰事業を行っている。

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