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政府は廃棄物規制体制と法律の見直しを 市民の健康蝕む埋立地火災や相次ぐ崩落事故

1801字||社会|新聞論調

 首都圏の一部地域では、ここ2週間、空が灰色の煙に覆われている。4月10日から燃え続けている首都圏ナボタス市の閉鎖済み埋立地が原因だ。当局が4月12日に火災を「鎮火した」と宣言したにもかかわらず、40ヘクタールに及ぶこの埋立地では有毒な煙を放出し続けている。火災はブラカン州やバタアン州にまで広がり、近隣地域の住民は避難を余儀なくされている。

 これは環境問題にとどまらず、深刻な健康問題でもある。プラスチックから重金属に至るまで、あらゆる廃棄物がゆっくりと燃え続けている様子を想像してみてほしい。プラスチックが燃焼する際に発生するダイオキシンやポリ塩化ジベンゾフランは、発がん性がある最も危険な化学物質の一つとされている。また、廃棄された電子機器や電池に含まれる鉛、水銀、ヒ素、クロムはエアロゾル化され、容易に吸入されて血流に入り込む。

 さらに、埋立地から発生する粒子状物質(直径2.5マイクロメートル以下の微細な固体粒子や液滴)は、鼻や喉にある体の自然なフィルターをすり抜け、肺にまで侵入する可能性がある。さらに埋立地は漁場に近く、これが海洋資源を破壊し、食料供給に影響を及ぼす可能性もある。

 4月17日に発表された分析において、アテネオ大学医学・公衆衛生学部のリサーチ・イノベーションセンターと、同大学の各機関や民間団体で運営する「ブリーズ・メトロ・マニラ」ネットワークは、現在の大気質測定値では実際の危険性が過小評価されている可能性があると警告した。

 この火災に関連して、少なくとも1人の死亡が確認されている。犠牲者は54歳の女性で、1キロメートルも離れていないブラカン州オバンド市からの避難民の一人だった。

 今年に入って3件目となる今回の埋立地関連事故は、共和国法第9003号(生態系廃棄物管理法)および共和国法第11898号(2022年拡大生産者責任法)の見直しが必要であることを改めて浮き彫りにしている。

 今年1月、セブ市のビナリウ埋立地で大規模な崩落事故が発生し、36人が死亡した。この事故をきっかけに、国内の廃棄物管理システムの見直しが求められた。2月には、リサール州ロドリゲス町で同様の事故が発生し、1人が死亡。これを受け、同市の市長は、野積みの廃棄に代わる焼却などの近代的な廃棄物管理技術の導入を中央政府に要請した。

 環境天然資源省(DENR)はビナリウ埋立地を閉鎖したが、その1か月後の報道によると、セブ市の市議会議員らが、市のごみ処理危機に対処するため、同埋立地の再開を強く求めているという。しかし、埋立地の運営会社であるプライム・インテグレーテッド・ウェイスト・ソリューションズ・セブ社は、環境や犠牲者の遺族に対してどのような説明責任を果たすのだろうか。

 リサール埋立地の崩落事故に関しては、DENRは民間運営会社であるグリーン・リープ・ソリッド・ウェイスト・マネジメント社に対し、業務停止命令を発令するとともに、当該地域の復旧に向けた是正措置を命じた。一方、報道によると、2025年8月に契約期間が満了したナボタス埋立地の元運営会社であるフィル・エコロジー・システムズ社は、義務付けられている安全な閉鎖および復旧計画を未だに実施していないという。

 3つの異なる埋立地で同様の災害が発生したことは、政府の規制体制の脆弱さを示している。政府は、これらの個別の事故の原因を調査するにとどまらず、運営会社に責任を問うとともに、同様の事故が二度と起こらないよう対策を講じなければならない。

 また、既存の法律の見直しも進めなければならない。環境NGOのグリーンピース・フィリピンは、現行の拡大生産者責任法が廃棄物の回収を優先しているものの、企業に対してプラスチックの生産削減や、大規模な再利用への移行を義務付けていないと指摘した。一方、生態系廃棄物管理法は、廃棄物の発生抑制を軸に設計されたものの、政府の取り組みは「主に、廃棄物の発生後の管理に重点が置かれている」という。

 同環境NGOは政府に対し、企業に対してより厳しい姿勢で臨み、プラスチックや使い捨て製品の生産削減を義務付けるよう求めている。これらの事故は、さらなる悲劇が起きる前に、政府が数十年間陥っていた無気力状態から目を覚ますきっかけとなるべきだ。(26日・インクワイアラー社説)

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