デジタルとグリーンで「2兆ドルの未来」へ 第49回ASEAN経済統合ハイレベル会議が閉幕
「第49回東南アジア諸国連合経済統合ハイレベル・タスクフォース」は地域経済の劇的な変革を約束する「共同プレス声明」を採択して閉幕
25日から3日間にわたりイロイロ・コンベンションセンターで開催されていた「第49回東南アジア諸国連合(ASEAN)経済統合ハイレベル・タスクフォース(HLTF-EI)」は27日午後、地域経済の劇的な変革を約束する「共同プレス声明」を採択して閉幕した。
今回の会議は、フィリピンがASEAN議長国を務める2026年のキックオフとして、「ASEAN共同体ビジョン2045」を具現化するための重要な「政策設計図」を描く場となった。採択された声明には、以下の確定した戦略的目標が盛り込まれた。
▽「イロイロ・ロードマップ」承認
声明の最大の目玉は、現在交渉中の「ASEANデジタル経済枠組み協定(DEFA)」の交渉を26年末までに実質妥結させるための具体的な行程表「イロイロ・ロードマップ」が正式に承認されたことだ。これにより、30年までに域内のデジタル経済規模を現在の1兆ドルから2兆ドル(約300兆円)へと倍増させる目標に向けた道筋が確定した。電子決済の相互運用や越境データフローの安全確保、サイバーセキュリティの共通規格化が加速する。
▽「戦略計画」の骨子を策定
20年後のASEAN経済の姿を決定づける「ASEAN共同体ビジョン2045」の第一段階となる「戦略計画 2026―2030」の骨子が承認された。地政学的リスクに対する地域の強靭性を高めるため、半導体、エネルギー、重要食料のサプライチェーン監視メカニズムを構築し、特定の外部勢力に依存しない「経済的自律性」を確保する方針だ。また、域内の電力供給を安定させる「ASEANパワーグリッド(越境エネルギー網)」構築に向けたタスクフォースの設置も合意された。
▽「グリーン・ブルー経済」の実施指針を確定
カーボンニュートラルに向けた「ASEAN共同戦略」を再確認し、脱炭素化に向けた「グリーン投資」の共通分類の策定を進める。さらに、海洋資源の持続可能な利用を掲げる「ASEANブルー経済枠組み」の実施指針が確定し、26~30年の主要計画の柱に据えられた。
▽中小零細企業(MSMEs)の支援強化
域内の中小企業がデジタルツールを活用して容易に越境貿易ができるよう、非関税障壁(NTB)の撤廃と、AIを活用した貿易マッチングプラットフォームの構築を推進することが明記された。
貿易産業省(DTI)のアラン・ゲプティ次官は閉幕後の会見で、「イロイロという地方都市が、ASEANの20年先を決める高度な政策の舞台となったことは、比の地方都市に国際的な投資ハブとしての潜在能力があることを証明した」と高く評価した。
今回の合意は、これまでの「関税撤廃」を中心とした統合から、「デジタル・環境・安全保障」という次世代のルール作りへとASEANがシフトしたことを象徴している。代表団にはイロイロの伝統的な「ピニャ織り」や地元料理が紹介され、文化外交の面でも大きな成果を上げた。次回のASEAN関連経済会議は、3月11~12日にアクラン州ボラカイ島で開催される予定だ。








