ADBなどと3000万ドルの融資契約 比フィンテック大手フューズ
ジーキャッシュを運営するミント傘下のフューズ・ファイナンシングがADB、マスターカードと融資ファシリティー設立に向けたパートナーシップを締結
フィリピンの電子マネー「GCash(ジーキャッシュ)」を運営するミント(Mynt)傘下の融資部門フューズ・ファイナンシングは6日、アジア開発銀行(ADB)およびマスターカード・インパクト・ファンドとの間で、総額17億5000万ペソ(約45億円)規模の融資ファシリティー設立に向けたパートナーシップを締結した。
クリスティーナ・ロケ貿易産業相が立ち会った今回の契約は、フィンテック企業に対する融資枠としてはASEAN(東南アジア諸国連合)地域で初の事例となる。フィリピンの中小零細企業(MSME)への信用供与を拡大し、同国経済の底上げを図るのが狙いだ。
今回の取り組みの最大の特徴は、GCashの独自AIスコアリングシステム「GScore(ジースコア)」の活用にある。デジタル上の利用動向から信用力を評価することで、従来型銀行で障壁となっていた担保や膨大な書類手続きを省き、迅速な融資を可能にする。
ロケ貿易産業相は式典で「資金調達は中小零細企業の生命線だ」と強調。特に高利のインフォーマルなローンに頼らざるを得ない公設市場の露天商などを念頭に、デジタル金融を通じた「開かれた門戸」の重要性を訴えた。
また、ADBは融資に加え、女性起業家などを対象とした金融リテラシー向上のためのテクニカルアシスタンスとして12万5000ドルを提供。マスターカード側も15万ドルの資金援助を行い、教育機会の限られた層へのデジタル金融普及を後押しする。
フィリピン政府は2026年のASEAN議長国就任を見据え、中小零細企業やクリエイティブ産業を経済成長の柱に据える方針を打ち出している。




