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アジア太平洋地域の介護支える比人労働者 受け入れ国もともに待遇改善を

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 高齢化が進むアジア太平洋地域で、特に日本、シンガポール、オーストラリアなどでは、増大する介護ニーズに対応するため、比人の介護士、看護師、家事労働者への依存度が高まっている。比人女性の出稼ぎ介護労働者は、労働や社会的保護の面で大きな格差に直面しているにもかかわらず、地域全体で極めて重要な役割を果たしている。

 最近、比開発研究所(PIDS)が「高齢化社会における労働の未来:アジア太平洋地域のバリューチェーンにおける比人女性出稼ぎ労働者」と題された報告書を発表した。同報告書は、比人女性介護労働者に「働きがいのある人間らしい仕事」を保障するために、労働保護の強化、倫理的な人材募集、そして地域協力が必要であると結論づけている。

 この調査は、介護労働をもはや単なる海外就労として捉えるべきではなく、高齢化社会の維持のための、研修機関、政府、人材紹介会社、雇用主、労働者を結びつける地域的なバリューチェーンとして捉えるべきとしている。

 比は熟練した介護人材の供給国として台頭してきた。同調査によると、シンガポールで2021年に雇用された約25万人の外国人家事労働者の約半数が比人女性であった。日比経済連携協定に基づき、3000人以上の比人看護師や介護士が日本に派遣されており、一方、オーストラリアでは推定1万人の比人医療従事者が雇用されている。

 介護研修プログラムを修了した人の85%以上が女性である。調査では、比人介護従事者の需要継続の理由として、英語力、介護スキル、文化的適応力といった資質を挙げている。

 しかし、この調査では矛盾も指摘されている。比人女性労働者は、海外の医療や高齢者介護、家事支援サービスにおいて不可欠な存在となっているにもかかわらず、多くの女性が依然として課題に直面している。その課題には、不安定な雇用、長時間労働、言語の壁、キャリアアップ機会の制限に加え、労働の保護、医療、社会保障給付への不平等なアクセスなどが含まれる。

 受け入れ国における移民介護労働者への依存度が高まっているにもかかわらず、こうした労働者に対する保護の強化は十分に進んでいない。

 また、この研究は、労働移民がもたらす影響についても指摘している。海外就労は雇用と送金をもたらす一方で、介護・医療従事者の流出は、国内の人材不足を招き、著者らが「介護赤字」と呼ぶ状況を生み出す可能性があるというのだ。

 さらに、幼い子どもたちを残して海外に出ることによる社会的コストは、多くの家庭に深刻な影響を与えており、非行や婚姻の破綻の報告が相次いでいる。皮肉なことに、比の母親たちは他人の子どもの世話をするために海外へ出稼ぎに行く一方で、自分の子どもたちは父親や祖父母、その他の親戚に預けられている。

 これらの問題をより深く理解するため、著者らは比の労働市場データと政策分析を組み合わせ、移住問題の専門家、政府関係者、そして日本、シンガポール、オーストラリアで働く比人女性出稼ぎ労働者へのインタビューを行っている。これにより、彼らは移民による介護労働の経済的価値と比人労働者の体験の両方を検証し、政策上の課題を特定することができている。

 同報告書は、専門資格の越境的な相互承認の改善、社会保障・医療給付へのアクセス拡大、倫理的な人材採用、継続的なスキル開発やデジタル研修への投資、そして比と受け入れ国間の二国間協定の強化を提言している。

 アジア太平洋地域で重要性を増すケア労働の価値を認識すると同時に、地域全体で何百万人もの高齢者の福祉を支える労働者に対し、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)、公正な待遇、そして適切な保護を確保することが不可欠である。

 比人女性出稼ぎ労働者は、海外の高齢化社会と母国の財政を支えているが、依然として過小評価されており、保護も不十分だ。海外でケアを行う人たちが、自身のケアを受けていない、この状況を変革すべきだ。(8月18日・マニラタイムズ社説)

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