不可解なカビテの「国際空港」作業部会設置 政府はサングレー空港案見直すべき
マルコス大統領は14日、行政命令(AO)第44号を発令し、かねてより提案されてきたカビテ州カビテ市のサングレーポイント国際空港開発事業を加速させるため、合同技術作業部会の設置を指示した。
慢性的に混雑しているニノイアキノ国際空港(NAIA)に代わる選択肢として、カビテ市に大規模空港を建設する構想は少なくとも15年前から存在していた。しかし、どの政権もこの案の率直な評価を行ったことは一度もなく、今回の命令も「本末転倒」な措置と言えそうだ。
サングレーポイントとは、カビテ州の海岸からマニラ湾へと北に伸びる細長い半島の先端(マニラ湾側)に位置し、人口が密集するカビテ市の一部である。かつて米海軍・空軍の施設が置かれていたが、比政府に引き継がれた。かつての米軍サングレーポイント空軍基地は、比空軍のダニーロ・アティエンサ空軍基地となり、その後、故ベニグノ・アキノ政権下でサングレーポイント国内空港として民間利用に転用された。現在は主に一般航空および小規模な諸島間貨物輸送に利用されている。
しかし、アクセスの困難さから同空港の利用率は低い。半島の幅は狭く(一部で幅約130m)、カビテ本土からの道路は1本のみであり、さらにカビテ市の混雑した迷路のような道路網を通り抜けなければならない。このため、アキノ政権時代に策定された、商用旅客ターボプロップ便(小型で短い滑走路でも離着陸できるプロペラ機)の大部分をサングレー空港に移転させる計画は頓挫し、代わりにクラーク国際空港への移転という代替案が実施されたのだ。
時代遅れで慢性的な混雑に陥っているNAIAに代わる空港が必要であることは疑いようがない。クラーク空港は、すぐにでも使用可能な滑走路と、国際基準に合わせて拡張・改修された良好なターミナル施設を備えているが、首都圏から約85kmとあまりにも遠すぎるため、NAIAの主要な代替空港とはならない。しかし、今後、成長著しい中部ルソン地域の主要空港としての価値は高まるだろう。
一方、ブラカン州に建設中の新マニラ空港(NMIA、ブラカン国際空港)はそのニーズを満たすことになるが、完成までにはまだ数年を要する。とはいえ、サングレーに新たな空港が建設されるよりもはるかに早く、NMIAは運用開始されることになるだろう。
今回の構想では、既存のサングレー空港を新空港の基盤とし、大部分はカビテ市の現在の市域の2~3倍の広さを埋め立てることになる。規模が大きく、平均水深が10mあるため、複雑な土木工事となる。一方、NMIAの埋め立て工事は、これよりはるかに浅い水域で行われている。
また、この計画には、カビテ本土と半島の先端を結ぶ、水上高速道路の建設も含まれる。これによりアクセスは改善されるものの、市内を経由するルートは事実上利用できないため、依然としてボトルネックとなるだろう。
さらに、NAIAの航空交通との衝突の可能性も懸念材料となっている。両空港の距離はわずか12kmで、現行計画ではNAIAの閉鎖は想定されていない。滑走路の方向も同一のため、空域が極めて混雑する恐れがある。
この点は、2011年に実施され2014年に更新された日本の国際協力機構(JICA)の調査でも指摘されており、さらにマニラ港や大統領府のあるマラカニアン地区の空域制限も、サングレー空港での航空機運用における潜在的な障害として問題視されていた。
同調査の結論は、サングレーに大規模な空港を建設することは技術的には可能というものだった。同空港は、首都圏の中心部に近いという利点はあるが、おそらく建設費が最も高く建設が困難で、地域への影響も最も大きい選択肢となるだろう。
待望の、かつ問題の少ないNAIAの後継空港建設がブラカン州ですでに順調に進められている中、なぜ現政権が今になってサングレー計画をこれほど熱心に推進しようとするのか、不可解である。政権はこの計画を真剣に再考すべきである。(8月15日・マニラタイムズ社説)








