19年のジャーナリスト殺害に有罪判決 現政権下でも続く暴力と不処罰への対策を
2019年7月10日にミンダナオ地方コタバト州キダパワン市で「ブリガダ・ニュースFM」の局員、エドゥアルド・ディソン氏が殺害された。ドゥテルテ政権下で殺害された14人目のジャーナリストであった。
この事件について、今年10月6日、ケソン市地方裁判所第228支部は、首謀者とされるダンテ・エンカルナシオン・タブサレス被告と実行犯のジュネルジェーン・アンダグキット・ポテン被告の2人に殺人罪の有罪判決を下した。7年の歳月を要したが、「メディアの安全に関する大統領特別対策本部(PTFoMS)」は、この事件の解決を「家族のための正義の追求と、不処罰との戦いにおける極めて重要な節目」として称賛した。
PTFoMSの制定は2016年10月、当時のロドリゴ・ドゥテルテ大統領が署名した最初の行政命令であった。「大統領がこの行政命令を望んだのは、大統領が皆さんを大切に思っているからです。そして、大統領は報道の自由を信じているのです」と、当時の政権のメディアチームを率いる元テレビ局キャスターのマーティン・アンダナール情報通信相は述べている。
しかしその後の6年間で、その主張は裏切られた。国内最大の放送ネットワークABS-CBNの放送免許更新についてドゥテルテは「お前たちは終わりだ。俺が確実に追い出す」と宣言した。議会で過半数を占める与党は、忠実に更新許可を却下し、同局の放送停止につながった。
同政権はジャーナリストたちを「レッドタグ」し続け、「国境なき記者団(RSF)」によると、ドゥテルテ政権下で殺害されたジャーナリストの数は20人と集計している。23人と推定する団体もある。
そして、ディソン事件での有罪判決からわずか6日後に、また別の放送局員が標的となり、命を落とした。10月12日午後、RBNニュース・テレビの番組『Rabas Cun Rabas』のキャスターであるエイドリアン・ロテルテ氏が、アルバイ州ダラガ町にある自身経営のパン屋の外で、武装した2人組から複数発の銃弾を浴び、死亡した。オートバイに乗った銃撃犯たちは逃走に成功しており、お馴染みの展開だ。
比全国ジャーナリスト連合(NUJP)は、マルコス大統領の政権発足から今年の第5回施政方針演説に至るまで、12人のメディア関係者が殺害され、80人が嫌がらせを受けたほか、40人近くが「レッドタグ」され、19人がサイバー攻撃を受けたと記録している。さらに、記録された報道機関への攻撃256件のうち、58件は政府高官によるものとされ、54件は治安当局によるものとされている。
今年、比はRSF(国境なき記者団)の「世界報道の自由度ランキング」において、180の国・地域のうち114位に沈んでいる(2025年は116位)。「極めてダイナミックなメディア環境があるにもかかわらず、ジャーナリストにとって世界で最も危険な国の一つである」とRSFは指摘している。
ロテルテ氏の前には、5月21日、コタバト州マリデガオ町でラジオジャーナリストのネスター・ミカトール氏が銃撃され、死亡している。その前には、4月19日にコミュニティジャーナリストのRJニコール・レデスマ氏が、西ネグロス州での共産主義反政府勢力に対する軍事作戦中に死亡したとされる不審な事件があった。しかし、革新系のアルターミディア・ネットワークによると、同氏は別の場所で殺害されたという。
数ヶ月間隔での殺害事件発生は、報道機関の安全が確保できていないことを示しており、マルコス政権はこれを最優先で対処しなければならない。
多くの事件が長年にわたり未解決のまま残されている中で、ディソン事件における有罪判決は、まれに見る朗報であり、当局がこうした事件の捜査を粘り強く続けるよう後押しするものである。しかし、この状況は、比のメディア関係者、ひいては報道の自由そのものにとって依然として深刻な脅威となっている、根深い暴力と不処罰の文化を痛感させるものでもある。(10月15日・インクワイアラー社説)








