レプトスピラ症患者の急増に警戒を 洪水被災拡大でデング熱感染も増加
土砂崩れに巻き込まれて埋もれたり、猛烈な洪水に流されたり、水に接触した断線した電力ケーブルで感電したりする危険に加え、洪水時には命に関わるもう一つのリスクがある。それはレプトスピラ症の感染だ。
国立腎臓移植研究所やマニラ市内の病院を含む複数の公立病院は現在、レプトスピラ症の患者で対応しきれない状況にあり、救急患者の受け入れを断り始めている。
洪水の影響で、マニラではレプトスピラ症の症例が急増しており、8月20日以降だけで197件が記録され、8月24日以降だけでも5人の死亡が確認されている。昨日、国内で最も人口密度の高い都市の一つであるマニラ市で、89件の新規感染が報告された。イスコ・モレノ市長は、マニラ市民以外の患者も受け入れているマニラ市立病院に長い待ち行列ができていると市民に伝えた。
早期の対応が極めて重要であるため、市当局は保健センターの職員を動員し、洪水の水にさらされ、レプトスピラ症の症状を示している住民を特定している。同市には、この細菌感染症の早期治療薬であるドキシサイクリンのカプセルが38万9000錠備蓄されていると報じられている。これが十分かどうかは、まだ不明だ。豪雨や洪水がひとまず収まっているとはいえ、レプトスピラ症の潜伏期間は最長2週間にも及ぶため、患者数は今後増加すると予想される。
レプトスピラ菌は、目、鼻、口から、あるいは感染した動物(特にネズミなどげっ歯類)の尿で汚染された水や土壌にさらされた皮膚のわずかな擦り傷からも体内に侵入する。ただし、犬、豚、牛も保菌者となる可能性がある。
医療専門家は、洪水の中を歩いた人に対し、高熱や悪寒、目の充血、嘔吐、吐き気、下痢、筋肉痛、膝の痛み、激しい頭痛に注意するよう呼びかけている。
この病気は重症化すると肝障害や腎不全を引き起こし、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる症状)、出血、髄膜炎、呼吸困難などの症状が現れる。重症例では入院や点滴治療、経静脈栄養が必要となる。しかもこの病気は急速に危篤状態へと進行する可能性がある。
洪水への接触を避けられない人は、ゴム長靴を履くことが推奨される。洪水が引かない地域の住民には、普段着の上から漁師らが使用するようなゴム製の胴付長靴を着用することが推奨される。これらはオンライン通販や、マニラのビノンド地区、ディビソリア地区などの市場で購入できる。
大統領府は26日、マニラ首都圏、中部ルソン、イロコス地域、カガヤンバレー、コルディリエラ行政地域の33の公立病院において、レプトスピラ症患者向けの優先診療枠の運用を開始したと発表した。
長引く洪水により、デング熱の感染拡大も引き起こされている。レプトスピラ症と同様、早期発見と早期治療が人命を救うことにつながる。(8月27日・スター社説)








