政府の支援策にかかっている 食料品価格の上昇見通し
中東での戦争が新たな局面に入るなか、世界中の経済学者や政策立案者は、一般市民や企業にどのような影響が及ぶかを解明しようと奔走している。比のアナリストや政策立案者も例外ではない。しかし、彼らの予測や決定は、政治的な配慮によって妥協を強いられているように見え――燃油税の一部凍結がその顕著な例である――その客観性や論理性に対する信頼を損ねている。弊誌では、経済状況を正確に把握するため、比の政治に利害関係を持たない情報源を基にして食料品価格の今後を見通してみた。
アジア開発銀行(ADB)、世界銀行、国連の各機関、およびオックスフォード・エコノミクスやBMIリサーチなどのグローバル調査会社などからの情報によれば、決して楽観できる状況とは言えないものの、最悪のシナリオよりはマシであると言えそうだ。
まず、今年の残りの期間、世界の食料品価格が急騰し、来年に入ってやや鈍化するという点で、ほとんどの情報源の見解は一致している。例えば、先週発表された速報で、オックスフォード・エコノミクスは2026年の食料品価格上昇率予測を(戦争勃発前の)0.7%から8.5%へ、2027年については2.5%から3.8%へと上方修正した。その要因としてエネルギー価格と肥料価格の上昇を挙げている。
しかし、食料必需品の価格は、過去にエネルギー価格が大幅に急騰した際ほど激しく反応していない。例えば、世界銀行によると、3月の世界の食料品価格は前月比3%上昇したのに対し、エネルギー価格と肥料価格はそれぞれ42%、26%も急騰した。反応がそれほど深刻ではない理由は、2月28日に戦争が始まった時点での食品在庫が、2022年2月のウクライナ戦争勃発時や、不作と重なった2008年および2012年のエネルギー価格急騰時と比較して、豊富だったためである。
ただし、食料の現物価格と小売価格とは区別する必要がある。現物とは、小麦、トウモロコシ、大豆、砂糖、パーム油などの、基本的かつ大規模に生産される農産物である。これらは他の多くの商品にとって重要な原材料であるため、小売価格を含む食料価格全体の指標と見なされる。
一方、小売食品価格とは、文字通り、スーパーマーケットや市場で購入する商品の価格を指す。これには、あらゆる種類の加工食品、比の最大の品目である米、農場などから市場へ直接出荷される生鮮食品も含まれる。小売食品価格のインフレ率は、常に農産物価格のインフレ率を上回り、経済が発展すればするほどその差は大きくなる。豊かになるにつれて、加工コストが農産物原価に占める割合が増加するからだ。食品加工は、製造や輸送にかかるエネルギーコストの影響を強く受けるため、小売食品価格はより速いペースで上昇することになる。
フィリピンは中程度の経済規模にあるため、残念ながら、農家のコスト増と食品メーカーのコスト増、両方の影響を受けることになる。唯一の緩和要因は、世界の他の多くの地域とは異なり、肥料価格の上昇がそれほど深刻な影響を及ぼさないという点だ。これは、我々が肥料の大部分をペルシャ湾地域ではなく中国から調達しているためである。価格は依然としてある程度上昇するだろうが、フィリピンと中国の関係に予期せぬ緊張が高まるなどして肥料のサプライチェーンが悪影響を受けない限り、供給は確保されるはずである。
ホルムズ海峡を通る船舶の航行が制限されている限り、わが国でも食料品価格の上昇が続くと見られ、そのペースは家計に相当な負担をかけるものとなるだろう。食料品価格がどの程度上昇するかは、農家や食品生産者がコストをどれだけうまく管理できるか、そして政府の政策による支援がどれほど効果的に行われるかにかかっている。(15日・マニラタイムズ社説)

