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真の国民皆保険制度は実現可能だ 成功したタルラック州を目指せ

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 私が暮らす住宅地区で、管理組合の管理人のお連れ合いが、治療後に再び月経以外の出血に見舞われるということがあった。(医師の)私が同級生のチャットグループで助言を求めたところ、タルラック州保健局の元局長であるレオナルド・マンガハス・ジュニア氏から、彼女をタルラック州立病院(TPH)に送るべきだとの連絡があった。そこなら、フィルヘルス(比国民健康保険)の適用だけで、追加の費用負担なく、優れた治療を受けられるという。

 TPHで受診してもらうと、子宮内膜がんの明らかな所見が確認され、彼女は根治的子宮全摘出手術を受けた。貧血の改善に必要だった輸血措置を除けば、彼女は1センタボも支払うことはなかった。おどろいた私は、マンガハス氏にタルラック州がどのようにしてこの保険医療を実現したのか尋ねずにはいられなかった。

 これは2011年、当時のビクター・ヤップ州知事が、眼科について「フィルヘルス限定プロトコル」を考案したことに始まる。そのきっかけがレオナルド・マンガハス氏の妻で眼科医のシェリーアン・ミア=マンガハス氏が10年間にわたる白内障手術支援活動を率いてきたことだった。州議会で「リナウ・ティンギン(良い視力)」事業が承認されてTPHで年間を通じて毎日、白内障手術を行うこととなり、TPH眼科センターの整備、看護師やバランガイ(最小行政区)保健員に対する研修も進んだ。民間病院の眼科医は客員コンサルタントとして招かれた。この取り組みは大成功を収め、他のすべての医療専門分野を巻き込んだ同様のプログラムが構想されることとなった。

 これは、ノイノイ・アキノ政権時代に構想された「シリップ・サキット・プログラム(公的医療のアウトリーチ事業)」であり、その実施部門として保健省のサービス・デリバリー・ネットワーク(SDN)が設置された。その基本理念は「富裕層の医師は、貧困層の医師でもある」というものだった。レオナルド・マンガハス氏が管理者を、シェリー・マンガハス氏が広報部長を務めている。

 入院患者・外来患者の両方の治療において、民間部門の専門医らが人員と知識を補強する形になっている。これらの専門医らへの報酬は、病院が専門医報酬としてフィルヘルスから受け取る償還金から充てられる。

 どうやら、これだけで首都圏からさえも民間専門医らを引き付けたようだ。その多くはPGH(フィリピン総合病院)出身者であり、彼らは研修の初期段階から貧困層のニーズに配慮する姿勢を身につけていた。

 このプログラムは成功しており、2025年には、タルラック州の住民24万人以上が、手術、診察、遠隔医療などを含む無料の医療ケアを受けた。1日20~30件の症例を処理しているにもかかわらず予約が殺到しているため、TPHは24時間体制の手術室運営に加え、病床を100床増設することを検討しているという。現在、タルラック州では4つの地区病院すべてにSDNのサテライトプログラムが設置されている。

 問題は、タルラック州でできるのなら、なぜ他の州や首都圏の公立病院ではできないのかということだ。その答えは知識や意欲の不足ではなく、公立病院の運営方法にあるのだろう。あるいは、汚職が横行し、資金が不誠実な病院職員の懐に流れているからだろうか? 病院職員らによる詐欺行為も問題になっている。

 理由が何であれ、遅れをとっている地域は、早急に水準を引き上げることが不可欠だ。タルラック州はその手本となる。民間部門の医師たちは、フィルヘルスからの報酬がわずかなものであっても、喜んで協力してくれている。必要なのは、運営体制を改革し、彼らが国民のケアに関われるようにする政治的意志だ。

 国民皆保険は実現可能である。タルラック州はそれを成し遂げた。私の同級生であるレオナルド・マンガハス医師と、その妻シェリーアン・メイア=マンガハス医師のような人々がますます増えていくことを願う。(2日・ブレティン、レイムンド・ロー医師)

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