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燃料高騰背景に進む再エネ開発 各機関の協調で加速を

1501字||社会|新聞論調

 計画が順調に進めば、4月末までに最大22件の電力プロジェクトにより、合計1471メガワット(MW)の再生可能エネルギーと蓄電設備が全国の送電網に追加される見込みだ。ガリン・エネルギー大臣は先週、エネルギー省(DOE)が民間開発業者と緊密に連携し、スケジュールを前倒しして「信頼性の高い国内産エネルギーを直ちに送電網に供給する」ことで、メラルコや地方電力協同組合などの配電事業者の料金が「急騰」するのを防ぐよう努めていると述べた。

 イラン戦争を契機とした国家エネルギー非常事態宣言を背景に、エネルギー省は「エネルギー・バーチャル・ワンストップ・ショップ(EVOSS)」システムを最大限に活用して、手続きを簡素化し、技術的・行政的な障壁を解消することで、太陽光、水力、バイオマス、風力発電事業とエネルギー貯蔵システムの完成時期を前倒しした。

さらに、6700MWの追加供給が見込まれる110件のプロジェクトも、国内エネルギーの割合を高めるものとして注視されている。これは結構なことだが、そこで疑問が生じる。なぜ、イラン戦争ほどの危機が起きて初めて、フィリピン政府は迅速な行動に駆り立てられたのか?

 化石燃料からの脱却を図るためには、信頼性が高く、手頃な価格の再生可能エネルギーが常に必要とされてきた。しかし、その潜在能力は十分に引き出されてこなかった。今や、前例のない原油価格ショックを背景に、政府はエネルギー供給を確保するために必死の追い上げを余儀なくされている。

 エネルギー省の再生可能エネルギー管理局および電力産業管理局を統括するゲバラ次官は、『インクワイアラー』紙への寄稿記事で、追加発電容量の急増を電力系統が吸収し、産業・商業・一般家庭の各ユーザーへ供給できるよう、あらゆる障害を取り除くことが不可欠であると強調した。そして、これには同省だけでなく、他の政府機関や地方自治体も協力して、例えば、直ちに用地取得の問題を解決するなど、連携した取り組みが必要となる。

 こうした用地取得の問題は、エネルギーだけでなく、道路、橋梁、交通システムといった重要なインフラ事業をも停滞させてきた。その結果、予算が膨れ上がり、事業が過度に遅延することになっている。これは、こうした大規模事業に資金を提供している多国間融資機関が繰り返し指摘している通りである。

 例えば、ゲバラ氏は、政府の「グリーンエネルギー入札プログラム」の下で約束された270MWの再生可能エネルギー容量のうち、わずか50MWしか送電網に供給されなかった事例を挙げた。これは、2基の送電鉄塔の完成が用地取得をめぐる紛争によって停滞していたためである。

 4月7日に発表された投資委員会(BOI)のデータによると、3月時点でのグリーンレーン登録投資総額は6・43兆ペソに達し、2025年末の6・11兆ペソから5・24%増加した。これは2023年2月に発令された大統領令に基づくもので、現在の投資総額のうち、再生可能エネルギープロジェクトは5・52兆ペソを占め、グリーンレーン投資総額の85・92%を占めている。それだけでに送電網の整備が遅れることは問題だ。

 政府機関、地方自治体、そして国家送電会社(NGCP)のような重要な民間セクターのプレイヤーが、エネルギー網を強化し、追加の再生可能エネルギー容量の導入を促進するために、さらなる協調を促すべきである。そうすることで、比国民は、脆弱な石油輸入国に波及している現在の危機から救われるだけでなく、将来の混乱から身を守ることができるだろう。(8日・インクワイアラー社説)

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