無思慮な議員の無意味な省エネ策提案 拙速な命令でなく率先して模範を示せ
マルコス大統領が「エネルギー非常事態」を正式に宣言すると、議会からはすぐに、エネルギー節約に関する途方もなく異端的なアイデアが次々と浮上し始めた。なかでも東ダバオ州選出のチーノ・アルマリオ議員が提案した案は、その「底辺への競争」において早くもトップを走っている。
同議員は下院第893号決議案を提出。これは、非常事態宣言が発令されている間、ショッピングモールに対し営業時間の短縮を命じる可能性について、貿易産業省(DTI)およびエネルギー省(DOE)に検討を求めるものである。この提案は、基本的な調査も、フィリピンにおける日常生活やビジネスの実情に対する認識さえも欠いたままなされたものであり、さらなる苦難を強いる以外に、ほとんど何の成果ももたらさないだろう。
アルマリオ氏は自身の提案を擁護し、「フィリピンの消費者に影響が全面的に及ぶまで待つわけにはいかない。先を見越した節電対策こそが、燃料費高騰による打撃を和らげる」と述べた。モールは空調、照明、エスカレーター、エレベーター、その他のエネルギーを大量に消費する最大の電力消費先の一つであることに言及し、「1日わずか2~3時間でも営業時間を短縮すれば、電力消費や企業の負担を大幅に削減できるだろう」「これは反企業的な措置ではなく、効率性、責任あるエネルギー利用、そして経済的な慎重さを促進するもの」と同氏は述べた。自家用車や公共交通機関による移動が抑制され、間接的に燃料消費の削減にもつながると付け加えた。
この混乱を整理してみよう。第一に、燃料費高騰がフィリピンの消費者に与える影響は、3つの直接的な形で現れている。①輸送コストの増加、②それに伴う食料や生活必需品の価格上昇、③長期的には、肥料などの投入資材の供給制約による食料や一部の生活必需品の潜在的な不足である。これらすべてがもたらす大規模な影響としては、個人消費の低迷や全体的な生産性の低下が挙げられ、その結果として経済停滞を招くことになる。
個人や企業などの消費者は自らのコストを削減できるという点では、こうした節電対策は、確かに非常に賢明ではある。ただ、ショッピングモールの運営会社は、すでに長年にわたり省エネ対策を積極的に実践してきた。多くの施設は「中断可能負荷プログラム」に加入しており、自家発電設備を保有しているため、電力供給が逼迫した際には送電網から切り離される仕組みになっている。また、電気料金の削減とエネルギー安全保障の強化を図るため、ここ数年で屋上太陽光発電システムに多額の投資を行ってきた施設も少なくない。
ショッピングモールに関しては、電力系統への負担を軽減するための仕組みがすでに整っている。しかも現在の問題は電力供給ではなく燃料費である。近い将来、燃料の供給が問題となる可能性はあるが、そうなったとしても、国内の電力供給が危機に瀕する可能性は極めて低い。
電力供給という「問題ではない問題」に対処するために、ショッピングモールの営業時間の短縮を義務付けることは、穏やかに言っても愚かで有害である。これは、すでに苦境にある小売業者の収益創出能力を制限し、ひいては雇用や労働時間の削減につながり、物価が上昇しているこの時期に労働者の所得をさらに減少させることになる。また、節電が懸念事項であるならば、人々がショッピングモールを訪れれば、その分自宅でエネルギーを使用しないことを意味する。これは、悪い案が「案がないこと」よりもはるかに悪いという典型的な例である。
アルマリオ議員および議会の同僚各位には、エネルギー節約のために自ら何ができるか――例えば、首都圏の道路を移動する際に複数の車両を連ねて移動しないなど――を熟考し、拙速な命令ではなく、率先して模範を示すことを提案したい。(26日・マニラタイムズ社説)

