米国統治期の地域社会など映し出す イロイロ地方語新聞「世界の記憶」に認定
1913年発行の最古のヒリガイノン語新聞がユネスコの「世界の記憶」の国内登録に選ばれイロイロ州で認定式が行われた
ビサヤ地方イロイロ州イロイロ市で23日、戦前で最も古い歴史を持つ現地ヒリガイノン語(イロンゴ語)新聞「マキナウガリノン」の、ユネスコ・フィリピン「世界の記憶」国内登録への認定式が行われた。同紙は20世紀初頭のフィリピンとイロイロの社会情勢を記録した「最も広範なアーカイブ」として、国家的に重要な遺産であると認められた。
故ロセンド・メヒカ氏によって創刊・編集された同紙は、1913~41年、および46~52年にかけて特別号を除き2972号を発行した。メヒカ氏の相続人の一人であるピラール・マルティネス氏は受諾スピーチで、「マキナウガリノンは米国統治下におけるイロイロやフィリピンの変遷を理解するための豊かなリソースであり、当時のイロイロの人々(イロンゴ)が自身の意見やアイデアを共有するプラットフォームとして機能した」と、その意義を強調した。
また、トレニャス市長は代読されたメッセージの中で、同市がすでに認定されている「ユネスコ食文化創造都市」との共通点に触れ、「食文化が世代を超えて受け継がれる味を通じて人々の物語を語るように、『マキナウガリンゴン』は言葉や思想を通じて市民生活を形作ってきた。一方は体を養い、もう一方は心を養う。どちらもイロンゴとしての我々のアイデンティティを支える強力な表現だ」と賛辞を送った。
ユネスコ・フィリピン国内委員会(UNACOM)のヘナレス事務局長は、同紙がヒリガイノン語の保存に果たす役割を高く評価。「このアーカイブは、学術分野、特にヒリガイノン語を研究する人々にとって不可欠な資料となる。当時の知識や言語が失われないよう保護・継承される助けとなるだろう」と話している。
ユネスコ「世界の記憶」委員会によれば、イロイロ関連の遺産が登録されるのは、アジア太平洋地域登録に選ばれた叙事詩「ヒニラウド」に続き2例目。現在は国内登録(ナショナル・レジスター)だが、今後はさらに地域登録や国際登録への格上げを目指す動きもある。(川上佳風)



