「殺害示唆」動画を証拠提示 ドゥテルテ氏ICC聴聞会2日目
ICC聴聞会2日目では、ドゥテルテ氏が公の場で殺害を称賛し、警察に継続を促していた動画が証拠として再生される
国際刑事裁判所(ICC)の公判検事エドワード・ジェレミー氏は24日、ドゥテルテ前大統領による「人道に対する罪」の証拠として、同氏がかつて行った演説の動画数々を法廷で再生した。検察側は、動画中の言葉からドゥテルテ氏が公の場で殺害を称賛し、警察に継続を促していた「動かぬ証拠」であると主張した。
法廷で提示された動画の一つには、ブラカン州での「ワンタイム・ビッグタイム(一斉摘発)」作戦により、1日で32人の麻薬容疑者が殺害されたニュースに対するドゥテルテ氏の反応が収められていた。
ジェレミー検事は、「被告はフィリピン国民32人が1日で死亡したことに対し、警察へ『よくやった、続けろ。毎日32人ずつ殺していこう』とメッセージを送った。この文脈において、殺害が延々と続いたのは当然の帰結だ」と断じた。
検察側は、ドゥテルテ氏が選挙キャンペーン前から使っていた「中立化(neutralize)」という言葉が、実質的な殺害命令として機能していたと指摘。また、①国家警察(PNP)が進めた「プロジェクト・トクハン(訪問警告)」と「プロジェクト・HVT(高価値ターゲット)」の運用実態②「高価値ターゲット」を殺害した際の報奨金は正規の予算ではなく、ドゥテルテ氏自身が提供した――などの点についても言及した。
ジェレミー検事は、ドゥテルテ氏が法的なリスクを回避するために使い分けていた「二つの顔」についても痛烈に批判。「被告は一方で、弁護士として自身の法的リスクを痛感しており、時折『正当防衛』について語った。しかし、もう一方の口では『殺せ、私が守ってやる。恩赦を与えるし、昇進もさせてやる』と大声で頻繁に語っていた。これが、麻薬王や犯罪者の殺害を命じる『強権的な大統領』としてのドゥテルテ氏の正体であり、街頭の警官たちはそのメッセージを『殺せ』という明確な命令として受け取っていた」と指摘した。
聴聞会は、エドサ革命40周年記念日の25日は休みとし、26日に再開される予定。



