人工物の正体はいかだ状の浮体物 政府タスクフォースが明らかに
フィリピン政府はスカボロー礁に出現した四角形の人工物の観察結果を、アンテナを備えた海上のプラットフォームだったと公表
先月末から指摘されていた南シナ海スカボロー礁=比名バホデマシンロック=入口付近の「人工構造物」の詳細について、政府西フィリピン海タスクフォースは10日、詳細を明らかにした。当初は礁湖の南入口の陸上にみられたことから固定施設の可能性も指摘されたが、比沿岸警備隊(PCG)の航空写真が捉えた姿は、全長5~6メートル幅5メートルのいかだ状の海上作業台のようなものだった。
デッキ部分や欄干は竹のような棒状の材料で構成されており、四方の側面には緩衝材(防舷材)、中央には大きな四角錐状のアンテナが立っている。移動する際は両脇にボートを固定して進んでいるとみられる。
会見を行ったPCGのタリエラ報道官(少将)は「いまでも礁内に中国調査船2隻が展開しており、これを運んできたのは中国調査船だと推測される」とし、「彼らはバホデマシンロックで違法な海洋科学調査を行っている可能性もあり、この(いかだ状)構造物も海洋科学者によって使用されていると言える」との見解を示した。
▽「軍は陥落防ぐ準備ある」
一方、比海軍の西フィリピン海担当報道官のロイビンセント・トリニダッド退役少将は、「フィリピン軍はあらゆる事態に対応できる緊急時対応計画を策定済みだ」と説明。「国軍としては、同志国と連携を取りながら、できる限りのことをしている」とした上で、「対応策の中には、バホデマシンロックの陥落と人工島造成を防ぐことも含まれる」と述べ、軍事作戦を取る準備があることを強く示唆した。
▽先月25日までに出現
PCGによると、先月20日時点の衛星画像には四角形の構造物は確認されなかった。翌21日、礁湖の入口付近に中国調査船2隻を確認。25日には衛星画像で礁湖の入口付近に四角形の物体が確認された。
翌26日、漁業水産資源局(BFAR)が実施した航空監視で人員1人の乗ったいかだ状の浮体物を確認。30日にはアンテナが新たに取り付けられていることを確認した。その際は、6人が乗船していた。
また、31日までに、同礁の内外に浮標(ブイ)や、アンテナ付きの物体を複数個確認。同礁内外の海上に設置された浮標や浮標状の装置は計7個となった。
▽スカボロー礁「人工物」を巡る時系列
5月20日 衛星画像では人工物確認できず
21日 礁湖入口付近に中国調査船2隻を確認
25日 衛星画像により入口付近に正方形の物体を確認
26日 漁業水産資源局による航空監視により、1人の乗った物体を確認
28日 PCGの航空監視により構造物を確認。近くで中国軍ヘリが飛行
29日 礁北方に浮標の設置を確認。礁湖の中で調査船2隻確認
30日 PCGの上空監視により、正方形の構造物のアンテナが取り付けられていることを確認。6人が乗船していた
テオドロ国防相はスカボロー礁に人工構造物が設置されたとの情報を明らかに
31日 正方形の構造物は2隻のボートに支えられ、礁の中心に移動。海上にブイ、アンテナを備えた物体など確認
6月2日 民間調査機関シーライトが26日、28日の衛星画像分析として礁湖南入口近くに約10メートル四方の構造物があると報告








