大統領に初の弾劾訴追 弁護士が下院議会に申立て
比人弁護士が19日、マルコス大統領を相手取った弾劾訴追の申し立てを下院議会に対して行った
下院議会事務局は19日午前、比人弁護士のアンドレ・デヘスス氏がマルコス大統領に対する弾劾訴追の申し立てを行ったことを明らかにした。2022年7月から始まったマルコス政権下で大統領に対する弾劾訴追の申し立てがなされたのは初めて。下院の野党院内副総務を務めるジェット・ニサイ議員=政党リスト制=が弾劾訴追状の提出を推薦している。19日付英字紙マニラブレティンが報じた。
同事務局のチェロイ・ガラフィル事務局長によると、弾劾訴追状は今後、ファウスティーノ・ディ下院議長に送られたあと、下院議長が本会議で弾劾訴追状の受理を説明し、その後、下院司法委員会で審議に入る見通し。ただし、下院議会はマルコス大統領を支持する議員が多数を占めており、上院議会への弾劾発議に発展する見通しは極めて低いとみられている。
デヘスス弁護士が提出した弾劾訴追状は12ページからなり、全部で6項目の訴因を列挙している。訴因としては、①ドゥテルテ前大統領を国際刑事裁判所(ICC)に引渡すために誘拐と連行を行なうよう指示した②薬物依存症であることから大統領の職務を果たせない③政府予算法案における非プログラム予算割当やその他の憲法を侵害する条項に対する拒否権を発動せず国民の信頼を裏切った④キックバックや幽霊事業を通じて汚職や収賄に関与した⑤不正に手を染めている仲間たちを守るため独立インフラ委員会を創設した⑥前大統領をICCに引渡すことで憲法を侵害し国民の信頼を裏切った――を挙げている。
弾劾訴追を後押ししたニサイ下院議員は、治水汚職問題を調査する独立インフラ委員会が建設請負企業にも関与していると名指しした下院議員のうちの一人。
昨年初め、サラ・ドゥテルテ副大統領に対する弾劾訴追状が下院に提出された際には、下院議会は2月、その弾劾訴追を承認し、上院議会で弾劾裁判が実施されている。しかし、昨年7月に比最高裁が、同一の公職者に対する弾劾訴追を1年間に複数回行なうことを禁止する憲法上の規定に議会が違反したとして、サラ氏の主張を認め、弾劾訴追を違憲だと判断していた。






