草の根支援2件に署名 計約4700万円
遠藤大使は「草の根・人間の安全保障無償資金協力」として承認された2件の事業計31万8098米ドルの贈与契約に署名
遠藤和也駐フィリピン大使は4日、令和6年度前期の「草の根・人間の安全保障無償資金協力」として承認された2件の事業計31万8098米ドル(約4700万円)の贈与契約に署名した。式典には、農業省のロジャー・ナバロ次官や天然環境資源省のジャッキリーン・カーンカン次官補をはじめ、地元のロザリー・サルバメ下院議員やパラワン州タイタイ町長らが出席した。
遠藤大使はスピーチで、日本と比が相互尊重に基づき揺るぎない協力関係を築いてきたことを強調し、本スキームが小規模ながらも地域社会の切実なニーズに直接応え、次世代の持続的かつ包括的な発展を促す重要な役割を担っていると述べた。
今回支援の対象となった案件の一つ、ボホール州ウバイ町における「ごみ収集車両整備計画」には24万3055米ドルが供与される。同町ではこれまで、保有する3台のごみ収集車だけでは全域の廃棄物処理を賄いきれず、不法投棄されたごみが河川に堆積することで洪水リスクが高まっていたほか、不衛生な環境によるデング熱の流行が深刻な課題となっていた。
本事業によって新たに2台のごみ収集車両が導入されることで、これまで回収が行き届かなかった地域を含む町全体の衛生環境が改善され、住民約8万人の健康と安全な生活が守られることが期待されている。
また、パラワン州タイタイ町における「少数民族漁業施設整備計画」には7万5043米ドルが投じられる。海藻採取を主な生業とする同地の少数民族コミュニティは、適切な加工・貯蔵施設がないために生活の安定化が困難な状況にあった。この支援を通じて、海藻の集積場所となる2階建ての集会所が新設されるほか、海上での分類・乾燥作業所が拡充されます。さらに、市場への運搬を効率化するためのトライシクル(サイドカー付きオートバイ)2台とボート4隻も供与される。これにより、漁民自らが付加価値を高めた状態で販売することが可能となり、経済的に脆弱な少数民族33戸の生計向上が図られる。
草の根無償資金協力は、比において1989年の開始以来、今回の2件を含めて計569件の事業を実施してきた。大使館は「地域住民に直接的な利益をもたらす草の根レベルの取り組みは、比国内の経済社会開発に大きく寄与するだけでなく、日本と比の戦略的パートナーシップをより深く、強固なものへと育て上げるための不可欠な礎となっている」としている。








