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副大統領弾劾に「相当な根拠あり」 下院司法委、53対0の全会一致で可決

960字||社会

下院司法委員会はサラ副大統領に対する2件の弾劾申し立てについて、「相当な根拠」があることを全会一致で可決

下院議事堂
下院議事堂

 下院司法委員会は29日、サラ・ドゥテルテ副大統領に対する2件の弾劾申し立てについて、審理を継続するための「相当な根拠」があることを全会一致で可決した。採決では、サバラ氏およびカブレラ氏による二つの申し立てに対し、いずれも反対・棄権なしの53票という同一の支持が得られ、委員会の強い意志が示された。

 採決後、レイラ・デリマ下院議員の提議により、二つの申し立ては同一の憲法上の根拠に基づいているとして統合されることが決定。司法委員会のジェルビル・ルイストロ委員長は、統合された弾劾条項を含む報告書を速やかに作成し、本会議に送付するよう指示を出した。今後は下院本会議において全議員の3分の1以上の賛成が得られれば、副大統領は正式に弾劾され、罷免の是非を決める上院での裁判へと舞台が移ることになる。

 今回の決議に至るまでの総括において、申立側の支持議員らは副大統領による「公金の私物化」と「権力の濫用」を厳しく指摘。デリマ議員は、副大統領府および教育省における計6億1250万ペソの機密費流用に明確なパターンがあるとして、存在しない人物の名前が記載された領収書や、会計検査院による不許可通知を証拠として挙げた。

 また、資産公開書への現金記載が6年間にわたり欠落していた一方で、マネーロンダリング防止評議会の報告書により、副大統領夫妻の口座に関連する67億7000万ペソもの「疑わしい取引」が確認されたことも、弾劾を支持する決定的な要因となった。

 さらに、公聴会では「運び屋」とされるラミル・マドリアガ氏が1億2500万ペソの現金がバッグに入れられ、わずか24時間以内に届けられていたと証言。ビエンベニード・アバンテ・ジュニア議員は、副大統領の選挙資金がオンラインカジノや違法薬物取引の関係者から提供されていた疑いについても言及した。

 加えて、大統領夫妻や前下院議長に対する副大統領自身の殺害脅迫発言は、公衆の信託に対する明白な背信であり、憲法違反にあたると結論づけられた。アバンテ議員は「火のないところに煙は立たないと言うが、ここには火があることを証明するのに十分すぎるほどの『煙』がある。これはあてずっぽうな捜査ではなく正義の追求だ」と述べ、真実を明らかにするために上院へ進むべき時が来たと締めくくった。

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