石油危機で「水牛の保護命令」 東サマール州スラット町長が発令
石油危機を受けて東サマール州スラット町の町長が農作業で貴重な働き手となる水牛の保護命令を出した
中東危機を端に発した石油危機はフィリピンの農村部も直撃しており、特に軽油を燃料とするトラクターなどの使用が困難となりつつある。そこで水田の耕作など農作業を農業機械ではなく、昔から貴重な働き手となってきた「カラバオ」(水牛)に回帰する動きが出ている。その一つとして東サマール州スラット町のハビエール・ザカテ町長がこのほど発令した「カラバオ保護令」が注目されている。5日付英字紙インクワイアラーが報じた。
同州スラット町のザカテ町長は3月31日、現地のフィエスタ(祭り)やその他の祭り事で各家庭の定番メニューとなっている水牛料理を調理するために水牛を食肉処理することを禁じる町長命令を出した。燃油価格の高騰を受けて、農作業を安定して行うために水牛の力を借りる必要があるためで、スラット町から外部の町への水牛の移動も「いかなる理由であっても禁止する」としている。
同町長は「カラバオを維持することはコメ生産にとり必須であり、コミュニティーの食料安全保障のためにも必要だ」と強調している。
また、ザカテ町長は、エネルギーを節約するためにフィエスタの規模縮小も命じている。同町ではこれまで、5月に1カ月かけて聖イシドロの祭日を祝う「マユマヨハイ祭り」を行ってきたが、今年は日程を縮小したり、ダンス大会やコンサートなどの娯楽イベントに対する公金の使用を禁止する町長令も出している。
さらに同町では町内のすべての家畜の登録管理を進めているほか、野菜や根菜類などの生産を拡充し、住民たちが食糧などを無料で提供し合うコミュニティーパントリーの設置も進めるなど、石油危機を乗り越えるための施策を次々と進めている。








