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警官のAI利用を厳格制限 「ディープフェイク」による世論操作に警戒

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国家警察のナルタテス長官は、警察官による人工知能(AI)の利用に厳格な制限を設けると発表

資料写真
資料写真=国営PNA通信

 国家警察(PNP)のナルタテス長官は18日、警察官による人工知能(AI)の利用に厳格な制限を設けると同時に、警察組織を標的とした悪意あるデジタルコンテンツの作成について一般市民に強い警告を発した。「911システムへのAI攻撃遮断」に続き、警察はハイテクを駆使した偽情報工作への対策をさらに強化する構えだ。

 ナルタテス長官は声明の中で、警察官を装ったディープフェイク動画が組織の誠実さと公衆の信頼を脅かしていると指摘。「これらの動画は警官の姿や声を模倣し、世論を操作するように設計されている。制服を愚弄し、国民を欺くためにテクノロジーが悪用されることを断じて許さない」と述べ、PNPサイバー犯罪対策班(ACG)が24時間体制でオンライン上の誤解を招くコンテンツの監視・削除にあたっていることを明かした。

 これらに合わせ、PNPは警察職員のSNS利用を規定するメモランダム(通達第2024-077号)を改めて徹底する。新規定では、制服を着用した状態での動画ブログ作成は公式な警察活動に限定され、広報部門などの許可を得た者だけが制服や警察施設を使用した発信を認められる。非番の際の個人的な発信は禁止されないものの、制服の着用や警察のリソース使用は一切禁じられ、警備上の理由から警察署内や分署内でのライブ配信も厳禁となる。

 背景には、警察官がファストフード店で不適切な振る舞いをしているように見せかけたAI生成動画が拡散されるなど、実害が出始めている現状がある。ナルタテス長官は、デジタル変革は推奨しつつも、「バズること」を目的に警察のイメージを損なうようなAI利用を強く批判した。

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