「道徳的疲労」が国家にとり大きな危機 ピープルパワー40周年記念で司教協議会議長
ピープルパワー革命40周年を数日後に控え、カトリック司教協議会の議長は、国が新たな脅威に直面していると警告した。司教協議会議長のギルバート・ガルセラ大司教は、この脅威を「道徳的疲労」と表現し、歴史の歪曲と同じくらい国家にとって大きな危険をもたらすと述べた。
「自由が単なる記憶として扱われ、義務として扱われない時、エドサの精神は徐々に失われていく」と、ガルセラ大司教はピープルパワー40周年記念の一環として行われた9日連続ミサの4日目の説教で述べた。「自由と平和には代償が伴う。信仰には責任が求められる」と。
記念日とは、過去を振り返りながら未来を見据え、これからの方向を見据える機会となる。もちろん過去と現在を比較する機会ともなる。大規模な汚職と人権侵害が蔓延し、数百万人が街頭に繰り出し、独裁者を追放した40年前と比べて、今日のフィリピンはより良い国になっているのだろうか。
はたして私たちは今、より良い国になっていると言えるのだろうか。フィリピン人の中で「イエス」と言える人はそれほど多くなく、その理由の多くは、国民からの組織的な金銭窃盗を背景にそう考えるに違いない。政府による予算編成や治水、その他の公共事業における未解決の汚職スキャンダルは、ピープルパワー40周年を記念する行事に暗い影を落としている。
同時に、国際刑事裁判所の検察官は、ロドリゴ・ドゥテルテ氏がダバオ市長、そして大統領を務めていた当時、彼の指示で開始されたとされる麻薬戦争の一環として行われた数千件の超法規的殺害の詳細を明らかにしている。しかし、ドゥテルテ氏は犯罪者殺害を公約に掲げながら、かつての大統領選では圧勝したのだった。
ドゥテルテ氏は自身に対する容疑を否認しており、ハーグにある国際刑事裁判所が管轄する刑務所に拘留されている。凶悪犯罪の容疑が浴びせられているにもかかわらず、彼の人気は依然として高く、その娘は2028年大統領選の最有力候補と目されている。
ピープルパワーから40周年を迎え、フィリピン国民は麻薬戦争と汚職スキャンダルにおいて、抜本的な改革と説明責任を求めている。道徳疲労への懸念を払拭し、自由の代償を痛感するフィリピン国民にとって、こうした声は今こそ大きく発信されるべきである。(25日・スター社説)



