釈放なら「凱旋将軍」に ICCドゥテルテ氏聴聞会開始
国際刑事裁判所で23日、ドゥテルテ前大統領が進めた「麻薬戦争」を巡る罪状認否の聴聞会が始まった
国際刑事裁判所(ICC)の第1予備審判部において23日、ドゥテルテ前大統領(80)が進めた「麻薬戦争」を巡る罪状認否の聴聞会が始まった。被害者側のICC公認弁護士ジョエル・ブトゥヤン氏は法廷で、「もし罪状が確定されなければ、被告は『凱旋将軍』としてフィリピンに戻り、再び免責(罪に問われないこと)の福音を説き始めるだろう」と強い危機感を表明した。
ドゥテルテ被告は昨年3月に逮捕されて以来、約1年間ハーグの収容所に勾留されているが、ブトゥヤン氏は「被害者たちに安らぎはない」と強調。「ドゥテルテ氏は自身の『クローン』を作り上げ、何百万人もの平和を愛する市民を、暴力と殺人が正当な解決策であると信じる血に飢えた信徒に変えてしまった」と述べ、もし被告が自由の身になれば、被害者に対してさらなる暴力が振るわれる恐怖のフィールドが完成すると警告した。
検察側は聴聞会の冒頭、ドゥテルテ被告を「子供を含む78人の被害者が関係する49件の殺人および殺人未遂事件」で起訴した。しかし、検察官は「これらの起訴内容は、比全土で発生した計10万人の民間人殺害という広範かつ組織的な攻撃の、ほんの一部に過ぎない」と付け加えた。
ドゥテルテ被告は今回の聴聞会への出廷権利を放棄したため、法廷には弁護団のみが出席した。これに対しブトゥヤン氏は、「ドゥテルテ氏が恐ろしい罪状を突きつけられる姿を見ることこそが、被害者にとって正義の不可欠な要素だった」と深い失望を表明。「この裁判は、無残に殺害された愛する人のために正義を求める遺族が乗れる最後の舟だ。もし罪状が確定されなければ、遺族は虐殺された愛する人の悲鳴が響く島に永遠に係留されることになる」と話している。
聴聞会は今週金曜日まで4日間にわたり実施される。予備審判部は今回の証拠を精査した上で、約2カ月以内に「正式な公判(本裁判)」に移行するかどうかを決定する。比国内では、2028年の大統領選への出馬を表明した娘のサラ・ドゥテルテ副大統領への影響を含め、裁判の行方に戦後最大の関心が集まっている。






