料理祭りに市民憩う 台風被災の世界遺産候補シライ
西ネグロス州の世界遺産候補地シライで昨年11月5日に開かれた独立記念式典では地元料理祭りが同時開催
※この記事は2025年12月1日にマニラニュースデイリーで掲載されたものを、筆者の了解を得て再掲載したものです。
台風ティノの影響で断水や停電に見舞われる中、西ネグロス州の世界遺産候補地シライ市では11月5日に独立127周年式典が開かれた。以後9日までの4日間、文化財にも指定されている「バライ・ネグレンセ」邸が一般公開され、毎年恒例の「カオン・タ」祭りが開催。家が停電や断水に見舞われる中、市民らは露店でくつろぎ、互いの安否を確認し合う様子などがみられた。
祭りでは地元劇団が独立戦争の様子を再現した劇を演じ、楽団演奏や、華やかな舞踊などが続いた。地元の歴史にちなんだクイズ大会も開かれ、参加者らは食事券などの景品を競いながら楽しむ様子が見られた。30あまりの露店には地元料理の生春巻きや、小麦粉パン「ピヤヤ」、焼き豚「レチョン」などが並んだ。
この祭りはネグロス島に製糖技術をもたらしたガストン家の旧邸での開催。州知事を輩出したロクシン家、独立戦争の司令官だったゴレス家など、地元の旧家も集う。元市議のロクシン氏は自宅が停電となり、祭りを通じて市民と交流。ガストン氏は砂糖価格の下落に続き台風による農家の窮状に心を痛める。親戚と訪れたという大学生のゴレスさんは、「台風の後でこそ、家族との時間を大切にしたい。」と、地元シライの祭りを楽しむ。最終日の日曜日にはミサが行われ、災害復興への厳粛な祈りが捧げられた。
世界遺産候補でもあるシライは、祭日の直前に台風に見舞われることとなったが、露店や広場での活気が断水や停電に苦しむ地元民にささやかな憩いの場を提供した。シライ市広報部担当者は「困難の中でも祭りを開催することができた。来年も無事開催できることを願う。」と語った。(川上佳風)






