フィリピン新聞

マニラ
33度-26度
両替レート
1万円=P3,780
$100=P6115

7年ぶりの比ロ首脳会談も 大統領が来週ロシア訪問 

1405字||政治

来週マルコス大統領がASEAN議長としてロシアを訪問。比ロ外交関係50周年の節目のため約7年ぶりの比ロ首脳会談の可能性も

マルコス氏(左)とプーチン氏(右)
マルコス氏(左)とプーチン氏(右)=公式SNSより

 大統領府のカストロ報道官は11日、マルコス大統領が17~18日の日程でロシアを訪問すると発表した。今年はロシアと東南アジア諸国連合(ASEAN)の外交関係樹立35周年にあたり、ロシア連邦タタールスタン共和国首都カザンで開かれるロシア・ASEAN首脳会議に議長として参加する。

 今年は同時に、比ロ外交関係50周年にもあたる。先週ロシアのラブロフ外相は声明で、カザンで開催予定のロシア・ASEAN首脳会議は、「両国関係の記念日を祝う一連の行事の中心となる」とし、「特にフィリピンのマルコス大統領をカザンに迎えられることを楽しみにしている」と強調しており、マルコス大統領とプーチン大統領の会談が実現する可能性がある。実現すれば、2019年にドゥテルテ前大統領とプーチン氏がロシアで会談して以来約7年ぶりの比ロ首脳会談となる。

 カストロ氏は「ロシアはASEAN対話パートナーであり、議長国であるフィリピンは、ロシアとの協力関係の進捗状況のレビューを担う。これには、フィリピンとロシア、そしてASEANの関係をさらに深化・拡大するための次のステップについての議論も含まれる」とした。

 ロシアのプーチン大統領との首脳会談については「外務省が15日の会見で発表する」とした。

 ▽比ロ関係50周年

 フィリピンがロシア(旧ソ連)と外交関係を結んだのは、現大統領の父である故マルコス元大統領期の1976年6月2日(戒厳令中)だ。

 ラブロフ外相は声明で「故マルコス大統領が冷戦の現実を顧みず、独立した外交政策を追求するという明確な選択をした意義は計り知れない」として高い評価を示している。 また比ロの歴史的な結びつきについて、日露戦争の日本海海戦で大敗したロシア帝国連合艦隊の巡洋艦アウロラが当時中立国アメリカ領だったフィリピン・マニラに寄港していた事実を紹介し、当時のロシア兵の扱いについて「フィリピンの人々は、傷つきながらもなお不屈の精神を失わなかった乗組員たちに、真の人間的な思いやりを示した」と述べている。

 さらにウクライナでの軍事紛争について、「フィリピン指導部が取ったバランスの取れた立場と、紛争の根本原因、すなわちロシアの基本的安全保障上の利益の侵害とウクライナにおけるロシア人およびロシア語話者の権利の侵害に対する理解を高く評価する」と述べ、フィリピンの立場を評価。

 石油問題については、「フィリピンの要請により、ロシア産原油の供給がこの春に再開され、すでに240万バレル以上が出荷された」と報告した。

 また昨年開かれた比ロ貿易経済協力合同委員会(第4回)にも触れ、原子力、輸送インフラ、宇宙、情報通信技術が有望分野として議論されたと報告。「ロシア国営原子力企業ロスアトムは、フィリピンのパートナーと協力して、小型原子力発電所の建設プロジェクトに取り組んでいる」とした。

 ドゥテルテ前政権期には、比ロ首脳会談が計4回実施されるなど、対ロ関係は蜜月化。2017年はマウテ包囲戦を契機にロシアは比に軍用車と自動小銃・弾丸などを提供。さらに21年には、ロシアからの軍用ヘリの輸入契約までなされたが、前政権末期に米国の「敵対国制裁法」による制裁リスクを背景にフィリピン側から契約を打ち切っている。

 東南アジアではロシアから防衛装備を輸入して軍の近代化をしている国が多い。

政治