「アジアの投資ハブ」へ前進 マルコス大統領、訪日成果を総括
マルコス大統領は帰国を前に、比が「アジアの新たな投資ハブ」としての地位をより強固なものにしたとの手応えを示した
4日間の日程で日本を公式訪問していたフェルディナンド・マルコス大統領は29日、フィリピンへの帰国を前に都内で記者会見を開き、今回の訪日によって総額約34億ドル(2087億ペソ)の投資約束を獲得したことについてあらためて言及。日本の政財界指導者との一連のトップ会談を通じて両国の戦略的パートナーシップが最高位へと格上げされて経済協力が多角的に拡大したことで、比が「アジアの新たな投資ハブ」としての地位をより強固なものにしたとの強い手応えを示した上で「極めて生産的だった」と総括した。
高市早苗首相との首脳会談では、機密軍事情報を共有するための「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」の締結に向けた交渉開始や、海洋境界画定に向けた公式協議の開始で合意に達した。また、緊張が続く南シナ海情勢を念頭に、国際法や法の支配、航行の自由、および地域の安定を維持していくコミットメントが双方で強く再確認された。
さらに、マルコス大統領は、比日の協力が安全保障や貿易にとどまらず、エネルギー安全保障、脱炭素、サプライチェーンの強靭化、人工知能(AI)、宇宙協力といった未来の鍵を握る新たなフロンティアへと劇的に深化・拡大していることに言及し、両国国民にさらなる持続的利益をもたらすための強固な舞台が整ったと強調した。
今回の訪日ではまた、民間ビジネス環境を改善するための「二重課税防止条約」の締結をはじめ、農業、水産業、保健医療サービス、および人的資源開発の分野における複数の重要な政府間協力合意が相次いで交わされた。経済面での具体的な成果として、日本企業側から半導体、高度電子機器、精密機械、造船などの基幹セクターにおける既存工場の拡張プロジェクトなど、総額563億ペソ規模の追加投資計画が正式に示された。これらの拡張計画により、比国内で直接・間接を合わせて約1万300人分の新規雇用が新たに創出される見通しだ。
大統領は、古河電気工業、住友電気工業、ミネベアミツミ、常石グループなどの日本のグローバル企業が、比経済の長期的成長性と潜在力に対して揺るぎない信頼を寄せていることを確認したと語り、これらのエンゲージメントが国民に直接的な恩恵をもたらす新たな経済的機会の扉を開いたと強調。日本のビジネスリーダーらに対し、比の圧倒的な地政学的優位性をアピールする中で「比はアジアのすべての主要首都からわずか4時間しか離れておらず、地理的にアジアの中心に位置している。比は名実ともにアジアの産業ハブとなる野心を抱いている」と投資を呼びかけた。
また大統領は、天皇皇后両陛下から温かい歓迎を受けたことへの深い感謝の意を表明した。あわせて、在日比人コミュニティのメンバーとも交流し、両国の経済と二国間関係の懸け橋として尽力している彼らの多大な貢献を称え、政府としてその福祉と権利保護を最優先課題として取り組んでいくことを約束した。








