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南レイテ州でアバカ再生事業が進行し、病害対策と再植林で生産回復を図る

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南レイテ州でアバカ再生事業が進行し、病害対策と再植林で生産回復を図る

 ビサヤ地方南レイテ州では、かつて主要産業だったアバカ(マニラ麻)の復興に向けた取り組みが進んでいる。1960年代から90年代後半にかけ、同州は欧州などへの輸出や国内工場への供給を通じ、安定した収入源としてアバカ産業を支えてきた。しかし2000年以降、ウィルスの感染拡大により州内のアバカの約8割が被害を受け、生産は大きく落ち込んだ。

 地元英字紙サザン・レイテ・タイムズによると、こうした状況を受け、州は今年1月、新たに「アバカ再生・再植林事業」を開始。州農業サービス局主導のもと、同州マアシン市を含む16の自治体で生産回復を目指している。事業はフィリピン繊維産業開発庁(PhilFIDA)や地方自治体、農家と連携して実施されており、対象農家は事前選定され、農地整備などの準備を行った上で苗の配布を受ける。計画では3万3333本のアバカ苗が供給され、植え付け後は位置情報付き写真による厳格なモニタリングも行われる。

 また、16年に始まった「SOAR事業」では、これまでに3700ヘクタール以上で植栽が進み、29村で約1300人の農家が恩恵を受けている。台風や病害の影響は残るものの、アバカの生育状況は徐々に改善している。

地域経済を支えてきた伝統産業の再生に向け、関係機関は長期的な生産回復と農家所得の向上を目指している。(川上佳風)

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