運賃値上げを急遽「凍結」 大統領「国民の家計を最優先」
大統領は運輸省に対し19日に予定されていた公共交通機関の運賃値上げを全面的に停止するよう命じた
マルコス大統領は18日、運輸省(DOTr)に対し19日に予定されていた公共交通機関(PUV)の運賃値上げを全面的に停止するよう命じた。大統領はビデオメッセージを通じて、中東情勢の緊迫化による物価高騰に直面している国民に対し、さらなる負担を強いるのは「今はその時期ではない」と断言。陸上輸送許認可規制委員会(LTFRB)が17日発表したばかりの、1ペソから最大40ペソに及ぶ運賃改定案を、実施直前で覆した。
大統領は、毎日の通勤・通学を余儀なくされる労働者や学生が、燃料高や生活必需品の値上がりの「矢面に立たされている」現状に強い懸念を表明。政府は単なる値上げの凍結に留まらず、通勤客の経済的負担を直接軽減するための包括的な緩和策を同時に打ち出すとしている。具体的には、全国規模での「リブレ・サカイ(無料送迎)」の開始に加え、首都圏鉄道(MRT)および軽量高架鉄道(LRT)の運賃割引、さらには有料道路の通行料減免などをDOTrに指示した。
一方で、燃料22ペソ値上げという死活問題に直面している公共交通機関の運転手や事業者に対しては、「政府は常に傍にいる」と語りかけ、不安の払拭に努めた。大統領は、5000ペソの燃料補助金をはじめとする現行の支援策を迅速化し、さらにその規模を拡大することを約束。運転手らが過度な困難に陥らないよう、政府が全力を挙げてバックアップする姿勢を強調した。
大統領が「国民の財布」を守るために運賃値上げを止めた一方で、運転手側からは「運賃を据え置かれたままでは赤字で走れない」との不満も根強い。政府が打ち出した「補助金増額」が混乱をどこまで和らげられるかは不透明だ。








