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1月20日の フィリピン新聞 から

一括運営案が浮上 LRT1とMRT3

1048字|2026.1.20|経済

運輸省が鉄道事業の収益黒字化を目指し、LRT1号線とMRT3号線の一括運営化を検討中

LRT1号線の駅構内の様子=LRMCホームページより

 運輸省のジョバンニ・ロペス大臣代行はこのほど、メディアの取材に対し、首都圏を南北に走る軽量高架鉄道(LRT)1号線とエドサ通りを走行する首都圏鉄道(MRT)3号線を一括で民間企業が運営する体制に移行させる計画が浮上していると明らかにした。LRT1号線とMRT3号線は現在、個別に運営されているが、同1号線を運営する民間企業連合体LRMCが深刻な赤字経営に直面しており、筆頭株主であるメトロパシフィックインベストメンツが出資引き上げを検討していると報じられている。鉄道事業の収益黒字化を確実にし、投資家を鉄道インフラ事業に誘致するためにも現行の鉄道部門における官民連携(PPP)モデルの再構築が必要との議論が出ている。19日付け英字紙スターが報じた。

 ロペス大臣代行によると、実際にある企業グループが現在、LRT1号線とMRT3号線の一括運営に向けた独自の出資提案を作成中だという。同1号線と3号線はパサイ市のエドサ通りで駅同士が連絡しているほか、ケソン市ノースアベニュー通りとエドサ通りの交差点付近でも統合グランド中央駅の建設が進められており、2つの鉄道システムがほぼループ状に接続する見通しだ。

 また、MRT3号線の毎日の乗客数が2025年には38万8000人ほどと首都圏の鉄道システムでは最大であるほか、LRT1号線も24年には同32万4000人に達するなど、両線を合わせると1日70万人を超える旅客の主要な足となっている。運輸省はかつて、MRT3号線とLRT2号線の一括運行システムの構築を目指したが、お互いの客層が違うことなどから計画が破棄されている。

 しかし一方で、首都圏の鉄道事業の収益悪化が大きな懸念材料となっている。LRT1号線の運営会社であるLRMCは2024年の経営損失が8億2800万ペソまで拡大するなど経営赤字が常態化。2016年以降、運賃引き上げ申請が何度も政府に拒否されてきたためで、25年に運賃引き上げが承認される直前まで、同社の累積赤字は21億7000万ペソまで拡大しているという。

 比ユニオンバンクのチーフエコノミストであるルーベン・アスンシオン氏は、2年ごとの運賃改定条項を鉄道運営契約に盛り込むことや、延伸事業などの際に政府が土地収用を迅速に進めるなど政府の果たすべき義務を確実に履行することなど、鉄道運営事業の採算性を高めることが重要だと強調している。

 LRT1号線事業には住友商事と阪急電鉄、国際協力機構(JICA)も出資している。

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