無知すぎる情報通信関係の当局者 銃乱射はソーシャルメディア禁止では防げない
情報通信技術省(DICT)およびその2つの主要機関である国家通信委員会(NTC)とサイバー犯罪捜査調整センター(CICC)の指導・管理に責任を負う者全員を直ちに解任し、デジタル通信やソーシャルメディアプラットフォーム、そして21世紀の現実を正しく理解している人材に交代させるべきだ。
これらの機関は先週、今年3件目となる悲惨な学校銃乱射事件に反応して、Facebook、Instagram、メッセージアプリのWhatsAppを運営するソーシャルメディア大手のメタ社に対し、比に代表事務所を設立するという政府の要求に従わなければ、比国内でのサービスを遮断すると脅したのだ。続いて、CICCは人気プラットフォームであるDiscord(米国発のメッセージ・ビデオ通話ツールで大人数でのコミュニティ運営もできる)とReddit(米国発の巨大な掲示板型ソーシャルメディア)に対し、同様の措置を講じるよう24時間という強硬な期限付きで要求した。
Redditは当局と一時的な妥協点を見出したようだが、Discordはそうならず、主要通信事業者によってアクセスが遮断された。この措置は、当然のことながら世論の激しい反発を招いた。というのも、Discordは、数万人の学生や教師がオンライン学習に利用しているほか、いわゆるオンラインのギグワーカーも相当数利用しており、彼らは突然、生計の手段を断たれてしまったからである。
CICCが提示した根拠は、Discordのようなプラットフォームが「過激化」や若者に対する虐待の温床であるというものであった。その措置が違法であるという明白な事実――アクセスの遮断には裁判所命令が必要である――に加え、全く裏付けのない推定を理由に、正当なユーザーを不当に処罰していたという事実を突きつけられると、CICCは約4時間後に遮断措置を撤回した。
その後、CICCセンター長であるアヤ・マカルマ氏は、自分たちはDiscordがビジネスや教育の場で利用されていたことを知らなかったと述べた。
これは到底容認できない。第一に、オンライン上の脅威から国を守る責任を負う機関や当局者が、広く利用されているプラットフォームについてこれほど無知であることは、能力と専門性の欠如を示している。
第二に、複雑な問題に対しての解決策があまりに単純なことだ。オンラインのソーシャルメディアや類似のプラットフォームは確かに、影響を受けやすい若いユーザーに対してリスクがある。しかし、政府当局者が、最近の学校銃乱射事件のような悲劇的な出来事の責任を、インターネットからの架空の影響に拙速に帰すことは、解決を要する真の問題から人々の関心をそらしてしまう。
学校での銃乱射事件などをソーシャルメディアのせいにするのは、極めて複雑な問題に対して手っ取り早く単純な解決策を見つけようとする、説得力に欠ける試みに過ぎない。実際、この問題は、インターネット利用に関する適切な教育の欠如、教育制度におけるメンタルヘルス支援プログラムやスクールカウンセラーの深刻な不足、そして銃の所有に対する国の驚くほど無頓着な態度や銃の安全対策の軽視など、不都合な真実を露呈しているのだ。
現在わが国で政府高官が「インターネットの悪影響」について発言している状況は、30~40年前に米国で巻き起こった「悪魔崇拝のカルト」や「暴力を助長する音楽」をめぐるヒステリーと非常によく似ている。
DICTおよびその傘下機関の役割は、国民のインターネットの接続性を高める一方で、それに伴う脅威から国民を守ることにある。しかし、これまでのところ、その役割を全く果たせていない。もしこれらの機関に、その分野に精通した人材が配置されていれば、このような事態にはならなかったかもしれない。(9月30日・マニラタイムズ社説)








