すでに影響が出ているエルニーニョ現象 政府の対応遅れは許されない
エルニーニョ現象がついにフィリピンに到来し、すでにいくつかの地域に影響を及ぼしている。
比気象庁は、今週発表した注意報の中で、この気象現象が9月から12月にかけて激化し、2027年前半まで続くと警告した。降水量が平年を下回り、長期にわたる乾燥や干ばつを特徴とするこの気候現象は、灼熱の暑さ、電気代の急騰や水資源の枯渇を招き、死者を出す可能性さえある。
シカゴ大学気候影響研究所の研究者らは、最も大きな影響を受けるとされる50カ国の中で比を9位にランク付けし、極端な暑さに関連する死亡者が例年よりさらに6500人増加すると推定している。
世界保健機関(WHO)の最近の分析でも、比は熱中症や慢性疾患の悪化、栄養失調など、極めて高い健康リスクに直面するとされ、乾季でもデング熱やチクングニア熱などの媒介性疾患のリスクが低下しないと警告している。水不足により各家庭が水を貯蔵せざるを得なくなり、それが蚊の繁殖場所となる可能性があるためだ。
影響は農業や経済にも及んでおり、国民はすでに食料価格の高騰に直面している。比気象庁によると、主要な農業地域ではすでにエルニーニョの影響が出ており、乾燥状態から干ばつに至るまで、さまざまな現象が見られている。
影響は地域によって異なり、首都圏を含むルソン島では依然として豪雨や洪水の可能性がある一方で、他の地域ではすでに気温の上昇が見られているようだ。
ビサヤ地方でコメなどの主要作物を生産するボホールや東サマール、レイテ各州に加え、「ミンダナオの食糧庫」として知られるブキドノン州では、すでに乾燥状態が見られている。また、「ビコールの米どころ」として知られる南カマリネスや、サトウキビやココナッツなどの高付加価値作物を栽培する東ネグロス各州では、すでに干ばつに見舞われている。
収穫の減少による物価の上昇は、貧困世帯に最も深刻な打撃を与えるだろう。科学者たちはすでにこうした予測に基づき警告を発していた。政府はそれらを踏まえて、事前に行動計画を策定すべきだったのだ。
公平を期すために言えば、省庁横断的なエルニーニョ対策タスクフォースは3年前から設置はされている。しかし、資金による裏付けが得られ、計画が実行されているかは別問題である。脆弱な立場にある層を支援するための予算は、腐敗した政治家や政府高官の懐に入るのではなく、本来の受益者に確実に届くものでなければならない。
予算管理省によると、9月初めに、対象となる農家や漁民向けの燃料・肥料補助金として62億ペソをすでに支給しており、第4四半期には太陽光発電による灌漑施設の建設のためにさらに35億ペソが投入される予定だという。
また、農務省は、現金給付事業を継続するため、来年度の国家予算において「農民・漁民に対する大統領支援プログラム」の下で100億ペソの予算復活を求めている。
しかし、先週行われた上院農業・食糧・農地改革委員会の公聴会では、国家灌漑庁が来年度に提案した463億6000万ペソの予算が、2026年度に比べて27%減少していることが明らかになった。中でも灌漑システム向け予算は50%以上の削減となっており、これは特に熱波の際、農地への水供給を確保する上で極めて重要な事業である。農家や漁民、その他の脆弱な立場にある人々は、実際に影響が出るまで待たなければ、政府から支援を受けられないのだろうか。
政府の対応の遅れは、農業や食料安全保障に深刻な影響を及ぼす。そして、その打撃を最も強く受けるのは、私たちの食卓に食料を届けてくれる農家や漁民を含む、低所得世帯なのである。
エルニーニョ現象は、すでに事前に警告が出されていた以上、予期せぬ緊急事態ではない。政府は、その影響が国家的な緊急事態へと発展し、国民が再び政府の怠慢の代償を背負わされることのないよう、緊急かつ断固とした対応を講じなければならない。(9月27日・インクワイアラー社説)








