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比証取所はデジタル企業に門戸を開け 規制緩和で比経済の飛躍へ

1823字||社会|新聞論調
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 フィリピン経済は、アジアで最も急成長している経済の一つだ。人口は若く、デジタル化が進んでいる。起業家たちは、フィンテック、運輸、物流、モビリティ、エネルギーといった分野で、着実に世界クラスのプラットフォームを構築している。優れた資本市場を形成するための要素はすでにある。比証券取引所(PSE)は、現状を守るだけでなく、デジタル経済に門戸を大きく開くために、今こそ行動を起こす時だ。

 現在のPSEの1日平均取引高は約73億3000万ペソ、つまり約1億2600万ドルである。一方、マレーシア証券取引所の1日平均取引高は約7億6000万ドル、シンガポールは約12億ドル、インドネシア証券取引所は約10億ドル、香港は250億ドルを優に超えている。

 これらの証券取引所は、ニューエコノミーへの対応をより迅速に進めた。一方、PSEの現在の上場基準は、セメント会社、銀行、コングロマリットだけが主要企業だった産業時代の名残だ。この基準では、3年間にわたる監査済みの黒字決算経営と安定した収益が求められているが、成長のためにすべての資金を再投資している急成長中のテクノロジー企業にとっては、不適切なルールである。

 最も活気のある取引所ではすでに、創業者が経営権を失うことなく資金調達を行えるよう「デュアルクラス株式」の導入を認め、デジタル企業向けに規制を緩和した「グロースボード」を設けている。PSEも同様の取り組みが可能であり、現在の経営陣がこれを認識しているという心強い兆候が見られる。

 インドネシアで起きたことを考えてみよう。2022年4月、配車サービスや生活全般で使われるアプリGojekと同国最大のECモールTokopediaの持株会社であるGoToがインドネシア証券取引所に上場し、約11億ドルを調達した。約30万人の新規投資家が参加し、同取引所の歴史上最多を記録した。たった1社、たった1日の出来事だ。その後、株価は浮き沈みがあったものの、その構造的な影響は永続的なものとなった。

 これにより、デジタル企業の上場が新たなカテゴリーとして確立され、世界中の資本がジャカルタに流入した。2025年末までに、インドネシア証券取引所は時価総額でASEAN最大となり、世界でも堂々のトップ20入りを果たしている。自国の起業家たちを市場に迎え入れることで、市場を築き上げたのだ。

 では、比デジタル決済大手のGCashがPSEに上場する姿を思い描いてほしい。ジプニーの乗車から食料品の購入まで、あらゆる用途で1日数億回利用される決済プラットフォームだ。電子決済アプリのMayaやAngkas、Joyrideのようなバイク配車サービス企業、100万人以上の比人を雇用するBPO、再生可能エネルギー開発企業、そして島々を結びつけるデジタル物流企業。こうした企業が上場すれば、数十万人の新規個人投資家を誕生させ、取引高の推移を一変させるだろう。

 最も素晴らしい点は、1日に20回もGCashを利用する比の国民が、GCashの株式を購入できれば、その人は単なる消費者ではなく、所有者となる。孫に送金するおばあさんは、その送金を可能にするインフラの株主になるのだ。

 食事を届けるバイク便の配達員は、プラットフォームの共同所有者となる。毎年約390億ドルを本国に送金しているOFWは、ついに、よその市場に貯蓄を預けるのではなく、自分たちが築き上げているこの国を所有する手段を手に入れるのだ。比で生み出された富は比に留まり、より多くの比人の手に渡り、国内で増殖していく。

 必要なのは過激さではなく、現実的な改革である。デジタル企業向けに規制を緩和した、近代的な成長企業向け市場。適切な枠組みの中でデュアルクラス株式を認めること。テクノロジー企業の上場に向けた的を絞った税制優遇措置。GoToがドライバーパートナーに株式を割り当てたように、従業員持株制度を導入し、ドライバー、配達員、代理店、現場スタッフを株主にすること。

 「比の世紀」は、工場や農場だけで築かれるものではない。それはアプリやプラットフォーム、そしてセブやマニラ、ダバオで作成されたコードの組み合わせによって築かれるものであり、比から世界クラスのビジネスが生まれることを証明している起業家たちによって築かれるのだ。(18日・スター、ジョージ・ロイエカ・アンカス社CEO)

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