世界は比の主張に耳を傾けつつある ハーグ仲裁裁判所裁定から10年
2016年7月12日、オランダのハーグにおいて、国連海洋法条約(UNCLOS)の紛争解決規定に基づき構成された仲裁裁判所は、501ページに及ぶ裁定を下し、南シナ海における中国の広範な領有権主張の大部分を無効とした。
この裁定は最終的かつ拘束力のあるものであったにもかかわらず、北京当局はインクが乾く前にこれを拒否し、今日に至るまでその姿勢を崩していない。
国内の裁判所とは異なり、仲裁裁判所は、国家に強制するための警察力を持っていない。そのため、中国の船舶は依然として比の領海で比人漁民たちに嫌がらせを続けているが、何の制裁も受けていない。
裁定が出る前、北京当局は、この仲裁に反対する立場について数十カ国の支持を得ていると主張していた。しかし今日、この裁定を公に拒否しているのは8カ国のみである。27カ国がこれを法的拘束力のあるものとして明示的に承認しており、さらに17カ国は、中国への遵守要求には至っていないものの、比の立場を好意的に受け止めている。
支持はもはや米国や日本などの同盟国にとどまらず、インド、韓国、そして欧州諸国にまで広がっている。東南アジアの一部の国々は、明確にどちらかの立場をとることは避けているものの、この裁定に言及している。北京当局がこの裁定を、比の不満や西側諸国の企てに過ぎないとすることは困難になっている。
仲裁裁判所は、陸域の主権について「いかなる問題についても判断を下さず、当事者間の境界線を画定することもない」と明示的に述べた。その代わりに、同裁判所はUNCLOS(国連海洋法条約)に基づく法的問題を明確にし、中国が主張するいわゆる「九段線」で囲まれた水域内の歴史的権利について、「法的根拠はない」とした。
また、スプラトリー諸島のいずれの島も排他的経済水域を生じさせないとの判断を示し、中国が大規模な埋め立てを行うことで比の主権を侵害するとともに、脆弱なサンゴ礁の生態系に深刻な損害を与えたと認定した。
これらの判断は、海洋法の適用について最も権威ある解釈となっている。また、だからこそ、中国はこの裁定の信用を傷つけようと多大な努力を注ぎ続けている。数日前に浮上した、バタネス諸島が台湾を経由して中国に属するという中国の学者による荒唐無稽な主張は、こうした文脈で捉えるべきである。
比は、ハーグで確立された重要な法的結論を、中国の説によって覆い隠されてはならない。疑わしい歴史的主張も、繰り返されることで広まっていくものだからだ。
つまり、比の外交は、中国の行為に抗議することだけに留まってはならない。より大きな課題は、東南アジア諸国連合(ASEAN)やインド太平洋地域の各国政府に対し、この仲裁判断が単なる比の勝利ではなく、すべての沿岸国を保護する規則の肯定であることを引き続き説得し続けることである。
その取り組みは未だ完了していない。欧米諸国とは異なり、東南アジアのどの政府も、この裁定を法的に拘束力のあるものと正式に宣言してはいない。この点は我が国の長期的な目標の一つであるべきだ。
歴史上、強大国による異議を乗り越えて生き残った国際的な決定は多い。国際司法裁判所が、米国がニカラグアのコントラ反政府勢力を支援したことで国際法に違反したと認定した「ニカラグア対米国」事件は、ワシントンによって一蹴されたものの、その後、現代国際法の画期的な判例となっている。
南シナ海に関する仲裁判断も同様の軌道をたどっている。その権威は、他国がこれを援用しようとする意思によって測られることになるだろう。
2013年当時、比は、力では成し得ないことも法によって達成できると信じて、仲裁を申し立てた。16年に裁定は下された。比は、長年にわたる綿密な法的準備と説得力のある主張を通じて、この裁定を勝ち取ったのである。世界は、その声に耳を傾けつつある。(7月12日・インクワイアラー社説)








