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サラ氏有利な条件で開始 弾劾裁判審理初日

1511字||社会

サラ副大統領の弾劾審理始まる。裁判長はエスクデロ氏、判事分母は24人、未開封の税務書類は返却とサラ氏に有利な条件

弾劾裁判長に選出されたエスクデロ議員
弾劾裁判長に選出されたエスクデロ議員=6日(上院が公開)

 サラ副大統領に対する上院弾劾裁判が6日、始まった。裁判長は憲法の規定に基づきガチャリアン現上院議長が務めるとみられていたが、出席した上院裁判官20人のうち12人の賛成を得て、エスクデロ上院議員が弾劾裁判長に選出された。逮捕者などを除外するかを巡って議論となっていた裁判官の分母は、24議員全員とすることが決まった。サラ氏本人は出廷せず、シーラ・シソン弁護士を主任とする弁護団が代理出席した。

 一方、内国歳入庁(BIR)から下院に提出されたものの「目的外使用」として未開封となっていたサラ氏の税務書類については、BIRへの返却が命じられた。税務書類についてエスクデロ氏は、現在、上院事務総長室の裁判所書記官が保管していると説明。「受領時と同じ封印状態で、7日朝にBIRへ返送する」と述べた。

 エスクデロ氏は2025年、サラ氏に対する最初の弾劾申し立てが上院で棚上げされた当時の上院議長。先月まで親ドゥテルテ的議員をまとめて多数派を構成したカエタノ派に身を置いた人物だ。裁判は、ドゥテルテ派寄りとされるエスクデロ氏の裁判長就任、有罪認定のための人数(議員数の3分の2以上)の分母を24人と決定、証拠書類の返却と、サラ氏に有利な条件で始まった。

 6日の審理では、ラクソン上院議員が裁判長選出の採決を求めたのに対し、カエタノ前議長が異議を唱えた。カエタノ氏は、憲法上、弾劾裁判長は上院議長が務めるべきだと主張した。

 エスクデロ裁判長は冒頭、憲法上、有罪認定には「上院議員全員の3分の2」の賛成が必要だと説明。上院定数が24人であることから、サラ氏を有罪とするには「少なくとも16人の賛成が必要になる」と述べた。

 これを受け、カエタノ氏は、公金略奪容疑で同日逮捕されたマルコレタ議員、6月に同じく略奪容疑で逮捕されたエストラダ議員が審理を傍聴・出席できるよう、公務員特別裁判所(サンディガンバヤン)に連絡することを提案した。カエタノ氏は、両氏が全く出席できず投票できない場合、その票は実質的に無罪票と同じ効果を持つとして、「公正な弾劾裁判を望んでいる」と述べた。これに対し、ラフィー・トゥルフォ上院議員は、両氏にはテレビを通じて審理を視聴させればよいと提案した。

 上院弾劾裁判所は6日の審理で、訴追側が求めていた国家捜査局(NBI)職員2人の召喚を認めた。

 審理は6日午後5時ごろ休廷し、7日午後2時に再開される。

 ▽大統領の意見「重要性なし」

 弾劾裁判に出廷しなかったサラ氏は、6日に声明を発表。「弾劾手続きにおける大統領の意見には、いかなる重要性もない」とし、「弾劾手続きは、憲法と適正手続きに導かれるべきものだ。被告は弁護士の代理を受ける権利を有しており、自ら証言するかどうかの決定は、法廷戦略および憲法上の権利の問題だ」と述べた。

 マルコス大統領は5日、訪問先のカナダで「被告と直接話ができれば、事の真相を究明するのはずっと簡単だ。私だったら出廷を選ぶ」などと発言していた。

 声明でサラ氏は、「自らの主張を立証する責任は、依然として訴追側だ」と主張。「自ら証言するのではなく弁護士を通じて出廷することを選択したとしても、それは説明責任を損なうものではなく、透明性の欠如を意味しない」とした。

 下院は5月、サラ氏に対し①計6億ペソ以上の機密費の不正使用②資産公開を適正に行わず、説明のつかない蓄財をしたこと③教育省職員に不正な金銭贈与を行ったこと④大統領夫妻、ロムアルデス前下院議長への暗殺を予告したこと――の四つの弾劾条項を決議し上院に送達している。(ロビーナ・アシド)

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