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女性警官ら2人負傷、4人を拘束 宗教団体による1万人超デモで衝突

1375字||社会

INC緊急集会で4人拘束、警官2人負傷。首都圏警察は全警戒態勢を敷いた

ピープルパワー記念碑までに集まった参加者と警官隊
ピープルパワー記念碑までに集まった参加者と警官隊=30日(警察公式配信より)

 首都圏ケソン市のエドサ通り沿いにあるピープルパワー記念碑前で30日、キリスト教系宗教団体イグレシア・ニ・クリスト(INC)が事前許可なしのデモを実施した。緊急で現場に配備された国家警察職員との間で一部衝突が発生。女性警官1人が教団側のバスにはねられて負傷し、また男性警官1人が参加者に殴られけがを負った。一方、参加者4人が拘束された。警察によると、午前11時45分時点で、記念碑前の参加者は少なくとも1万1000人。警察は厳戒態勢を敷き、初動で900人の職員を緊急配備。その後さらに増員している。

 首都圏警察本部のアシロ上級警部はラジオインタビューで、身柄を確保した4人は首都圏警察ケソン市本部第8分署に勾留し、負傷した警察官2人は国家警察病院に搬送したと明らかにした。

 ▽マルコレタ氏起訴が引き金か

 デモの目的は明らかではないが、マルコレタ上院議員に対し、行政監察院(オンブズマン)が29日に公金略奪罪で起訴すると発表したことが引き金となっているとの見方が優勢だ。同議員は、INCの支持を受け、昨年の中間選挙でドゥテルテ陣営から立候補し当選している。

 マルコレタ上院議員を巡っては、2025年1月にマイク・デフェンサー元下院議員ら3人から計7500万ペソ(約2億円)の資金提供を受けた疑いが浮上している。教団側はこの訴追の動きを「選択的司法」だと批判していた。

 INCの信者数は約280万人で、カトリック、イスラム教に次ぐ規模。カトリックやイスラムと異なり、教祖マナロ師の指示に従った一致した投票行動を取ることで知られる。

 サラ・ドゥテルテ副大統領とマルコス大統領との関係が決裂して以降は、ドゥテルテ派寄りの姿勢を見せていた。昨年9月の大規模デモにあわせて浮上した「クーデター騒動」では、マルコス大統領を排してサラ副大統領を大統領に昇格させる計画を国軍幹部に持ち込んだ宗教団体がいたと報じられていたが、INCはその候補の一つに名前が挙がっていた。

 首都圏警察のアベリン警視総監によると、警察は首都圏開発庁(MMDA)と連携して交通整理に当たる一方、主催者側に対し、交通の完全な遮断を避けるため一部の車線を開放し続けるよう交渉を行い、合意を取り付けた。参加者が現場にとどまる具体的な時間は明かされていないが、警察は彼らが完全に解散するまで現場での監視活動を維持する方針だ。

 ▽大統領は「ドタキャン」

 マルコス大統領は同日、状況を把握するため、首都圏マカティ市で予定されていた在比外国特派員協会(FOCAP)との昼食会を含む日程を取りやめた。大統領府広報室のデーブ・ゴメス長官代行がFOCAP幹部に宛てたメールで明らかにした。

 一方、サラ副大統領は声明で、エドサに集まった人々は「2024年以来、自身が一貫して表明してきた思いの広がりを反映している」と主張。サラ氏は、現政権が物価高や雇用不安、生活費上昇に十分対応していないと批判した。

 さらに、説明責任を装って異論を封じ、政権批判や汚職疑惑の追及をする人物に対して司法制度を利用していると非難した。

 内務自治省は、関係自治体と連携して国家警察に対し、最大限の自制を保ち、適切な警備・交通管理を実施するよう指示を出している。(ロビーナ・アシド)

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