フィリピン新聞

マニラ
34度-27度
両替レート
1万円=P3,820
$100=P6145

「バト」問題で漂流するリーダーシップ 大統領は今からでも断固として明確な対応を

1397字||社会|新聞論調
新聞論調
新聞論調

 国家が試練に直面する時、リーダーシップの真価は、雄弁さではなく、その決意によって示される。

 ロナルド・「バト」・デラロサ上院議員の上院議会からの逃走は、単なる法執行の失態にとどまらない。それは、優柔不断で、焦点を見失い、現実から遊離しているように見える現政権に対する告発でもある。明確な指針と統率力が最も必要とされていたまさにその時、マルコス大統領はその状況から不在であるかのように見えた。

 なぜ迅速かつ断固とした対応が取られなかったのか?なぜ混乱が連携を凌駕しているように見えたのか?そして何よりも、正義と説明責任の根幹を揺るがすこの危機に対し、なぜ大統領は事態を掌握できていないように見えるのか?

 同様に懸念されるのは、前国家警察長官のニコラス・トーレ氏が、脇に追いやられているように見えることだ。重要な作戦において、指導者には、迅速かつ的確に任務を遂行できる人材に権限を委譲する意志も求められる。トーレ氏は決断力があり、行動を躊躇しない人物として広く評価されている。しかし、最前線に据えられるどころか、トーレ氏は周辺に追いやられたように見える。

 これは意図的な選択だったのか、もしそうだとすれば、それは強硬かつ妥協のない行動に対する政権の意欲について何を物語っているのか、問わざるを得ない。

 対照的に、大統領がジョンヴィック・レムリヤ内務自治相に依存しているように見えることは、さらなる疑念を抱かせる。レムリヤ氏はよく目立ち、発言も活発だが、具体的な成果を上げるよりも、世間の印象作りに熱心であるように映ることが多い。

 危機的状況において、統治は自己宣伝や将来の政治的立場を築くための舞台ではない。そこには、集中力、慎重さ、そして結果に対する揺るぎない決意が求められる。もし「見せかけ」が「実質」に取って代わり始めたなら、統治そのものがパフォーマンス的なものとなり、現実世界における結果の緊急性から切り離されてしまう。

 行政監察院のような機関やそれらに影響力を持つ人々の役割には、その決定が政治的な思惑から自由であるという国民の信頼が不可欠である。信頼が限られた同盟者の輪の中に集中しているように見える時、独立性と説明責任に対する懸念が必然的に生じる。

 これらすべてから浮かび上がるのは、憂慮すべき光景である。すなわち、親しい顔ぶれに囲まれながらも、断固たるリーダーシップが求められる状況から切り離されているかのように見える大統領の姿である。

 注目度の高い人物であるバト氏の逃亡は、単なる実務上の失敗にとどまらず、象徴的な失敗でもある。それは、緊急性が求められる場面での躊躇、指揮を執るべき場面でのへつらいを示している。

 リーダーシップ、とりわけ国の最高レベルにおけるリーダーシップは、受動的であってはならない。断固として、目に見える形で、かつ明確でなければならない。比国民には、危機的状況において迅速に行動し、明晰に判断し、果敢に指導する政府こそふさわしい。それ以下の対応では、国民の信頼が損なわれるだけでなく、法の支配そのものが弱体化する危険性がある。

 結局のところ、問題はもはや過ちがあったかどうかではない。問題は、そうした失態が政権の代名詞となる前に、大統領が方針を修正する意思と能力を持っているかどうかである。(14日・マラヤ社説)

社会