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進路と将来の希望を語る 卒業控える学生ら

1566字||社会

西ネグロス州シライの公民館で地元学生と市職員が座談会開く。新社会人としての不安や希望を共有。キリスト教信仰も心の支えに

シライ市職員ジャナさん(左端)を囲んで対談するカルロス・ヒラド記念大の学生ら
シライ市職員ジャナさん(左端)を囲んで対談するカルロス・ヒラド記念大の学生ら=7日、シライ市で川上佳風撮影

 6月の卒業を控え、フィリピンの大学生たちは今、社会人としての不安と希望を抱えながら、自分たちの将来像を思い描いている。今回、学生たちと市職員との座談会が行われ、学生たちは自分たちのロールモデルの話を聞きながら、悩みや不安も共有した。

 対談に参加したのは、西ネグロス州カルロス・ヒラド記念国立大学4年生の学生ら。同州シライ市の公民館「アートスペース」に集い、市職員ジャナさんと、就職や進路のことなどを話し合った。

家族に支えられ育児と両立、公務員ジャナさん

 西ネグロス州シライ市役所で働くジャナさんは、現在社会人2年目。州の名門私立大学を卒業後、心理学の学位を活かして、心理学関連の資格取得などを目指しながら、就職活動を始めたという。

 就職活動当時の心境について「私は『ノーチョイス(他に選択肢がない)』だと思って、まずは家族のために生計を助け、責任を果たさないといけないマインドセットが重要だった」と学生たちに語り、彼らも真剣にうなずいた。

 資格は無事取得できたものの、新型コロナの流行が転機となり、自身も心理学の道から、高い文章能力を活かして、現在の公務員の道を選んだという。「当初自分の学んだ専攻とは違ったけれども、仕事自体にはとても満足している」と、現在の市役所での業務を振り返る。

 ジャナさんはその後、結婚を経て、昨年12月に男の子を出産した。学生たちの質問や関心も、育児との両立や、出産後の生活へと向けられた。「私は家族や親戚の支えにとても感謝している。仕事中は義理の親戚たちが子供の面倒を見てくれ、仕事をしている夫と共に家庭が支えられている。家族全体のサポートのおかげで、自身の仕事と母親としての役目を両立させることができていると思う。」と、家族の支えの重要さを改めて学生たちに語った。

進路に悩む学生たち、希望は持ち続けながら

 対談の後半では、学生たちが自身の将来の不安や悩みを共有した。彼らは新型コロナの影響で、オンライン授業を余儀なくされた学年層。学生たちは当時を振り返り、対面授業こそ良質な教育の基本だとの意見を交わした。そして今、4年時になり、現在の率直な心境を共有した。

 グライゼルさんは「1年生の頃にあまり勉強に励んでいなかったせいで、私は当初成績があまり良くなかった。けれども逆にこのことがばねになり、4年生の職業体験や卒業論文はより努力しようというモチベーションにもなった」と思いを打ち明け、他の学生たちも彼女の正直な気持ちに共感した。学生たちの中には、教職を目指している学生もいるが、多くはまだ自分たちの進路を決めかねているという。

 学生たちは将来の不安を抱えながらも、それども希望は抱き続けている。ジェシーさんは、「まだどの業界で働きたいか決めかねている。教職も関心があるが、放送業界でも働いてみたい。最終的には神の用意した道の方が私たちの考えよりも偉大なので、進路のことは神に委ねたい」と語った。

 カルビンさんは「フィリピン人は信仰心が篤く、不安になり、進路に迷うことがあっても、祈りを捧げて、神様が私たちに良い道を用意してくださることを信じている。努力は続けるけど、将来の希望を失うことはない」と、若い学生たちにとってキリスト教への信仰が彼らの心の支えになっていることも明かした。

心の支えを持ち続ける学生たち

 最後に、ジャナさんが「皆さんには自分たちの本当の長所や強みを見出してほしい。何が自分にとっての強みかを見出しさえすれば、世の中の困難に立ち向かうための強い心と意志を持つことができる」と、学生たちを励ました。(川上佳風、カルビン・ビラリアス、デッシー・ビラルマ、ガーリン・フローラ、グライゼル・ジェミラ、ジェシー・ロサル、レジナ・ガン)

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