高齢者の医療へのアクセス強化を ゴー議員が高齢者専門病院設立法案を提出
アジア開発銀行(ADB)の調査によると、フィリピンの高齢者の貧困の実態は深刻である。彼らの収入は不安定な送金や予測不可能な家族からの支援に依存している。国の年金制度は機能不全に陥っており、その水準は世界でもほぼ最下位に位置している。
これは、学術誌『AIMS Public Health』に掲載されたフィリピン大学の研究者らによる研究に裏付けを与えるものである。同研究では、比の高齢者の半数以上が経済的に家族に依存し、同じ高齢者層の中で栄養失調と慢性疾患が同時に発生していることを明らかにしている。また高齢化の速度が、社会システムが対応できるペースを上回っていることも指摘している。
この状況を少しでも改善する方法として、高齢者ケアに特化した病院を設けることを含む法案をクリストファー・“ボン”・ゴー上院議員が提出している。その上院法案第411号は、保健省(DOH)の直接監督下にある三次専門病院である「フィリピン高齢者病院・研究所(PSCHRI)」を設立し、これを高齢者医療および研究センターとすることを目指している。
同議員は、2030年までに高齢者人口が1400万人を超えると予測しているフィリピン統計庁(PSA)の推計を引用し、高齢者に対する専門的なケアの必要性を強調した。「高齢者は、加齢に伴い慢性疾患を患うことが多い。その症状は、機能の低下や認知機能障害として現れることが多く、長期的なケア、リハビリテーション、緩和ケアを必要とする」と。
ゴー氏は、エヴァ・マカラエグ=マカパガル国立高齢者保健センター(DEMMNCGH)の存在を認めつつも、同センターはホセ・R・レイエス記念医療センターの傘下で運営されているため、独立した施設ではなくサービスに限界があると指摘した。
今回の提案は、同氏による広範な医療改革の提唱と一致しており、共和国法第11223号(ユニバーサル・ヘルスケア法)や共和国法第9994号(高齢者支援法)といった既存の法律を支持するものである。
この法案には、保健大臣が指名する、少なくとも5年間の病院経営経験を有する医師を医療センター長に任命することなどが含まれている。同病院・研究所は、高齢者に手頃な費用で、迅速かつ患者中心の医療サービスを提供する。また、地方自治体(LGU)、その他の政府機関、および関連するステークホルダーと連携し、高齢者医療サービスの向上を図る。さらに、高齢者病棟の基準策定における全国的なリソースハブとしての役割も果たしつつ、高齢者支援法の規定に基づいて介護施設を支援し、医療施設における高齢者向けサービスの充実を図る。
また、同病院・研究所は加齢関連疾患に関する研究を主導し、その成果を政策や医療現場へと反映させることや、国家高齢者委員会と協力して他の政府機関にも支援を要請することも想定されている。
ゴー議員は、一貫して高齢者向けの立法を推進してきた。功績の一つとして、80歳、85歳、90歳、95歳に達した高齢者に1万ペソの現金給付を行う共和国法第11982号の共同起草および共同提案が挙げられる。また、貧困状態にあるフィリピン人高齢者の月額社会年金を増額するため高齢者法改正法(共和国法第11916号)を共同起草した。今回の提案は、社会的弱者、特に高齢者のニーズに特化した施設を整備することで、医療へのアクセスを強化しようとする取り組みの一環である。(7日・マニラタイムズ社説)








