自治政府発足へ初の議会選 ミンダナオ和平節目に
バンサモロ・イスラム自治区で正式な自治政府発足に向けた初の議会選挙の投票が行われた(時事)
フィリピン南部ミンダナオ島の一部などからなるバンサモロ・イスラム自治区で14日、正式な自治政府発足に向けた初の議会選挙の投票が行われた。半世紀に及んだミンダナオ紛争の和平プロセスにおいて、民意に基づく統治体制への移行につながる節目となる。
比では人口の9割をキリスト教徒が占める中、バンサモロはイスラム教徒が多数派。1960年代後半から分離独立や自治を求めるイスラム系勢力の武力闘争が続いたが、2014年に政府とイスラム急進派、モロ・イスラム解放戦線(MILF)が包括和平合意を締結した。
19年に暫定自治政府が発足した後、22年に予定された選挙はコロナ禍や選挙区割りの問題で繰り返し延期された。今回の選挙後、これまで大統領が任命していた暫定自治政府の首相を議会が選出することになり、自治が本格始動する。
議会は定数80で、有権者は約240万人。MILFのムラド議長が率いる統一バンサモロ正義党(UBJP)と、マルコス大統領が暫定首相に任命したマカクア氏が党首のバンサモロ連邦主義党(BFP)が第一党を争うとみられている。
14日にバンサモロの中心都市コタバトで投票した大学生マハレア・グマパクさん(20)は「この選挙は始まりにすぎない。正しい指導者を選ぶことが重要だ」と訴えた。
一方、包括和平で約束されたMILFの武装解除は完了しておらず、治安上の懸念は残る。現地メディアによると、13、14両日には投票所での銃撃事件などで少なくとも3人が死亡した。
バンサモロの問題に詳しいシンクタンク「自治・ガバナンス研究所」のベネディクト・バカニ代表は、選挙を経て暴力が再燃する恐れがあると指摘。「選挙に不正があったとMILFが考えれば反発し、軍はそれに対応せざるを得なくなるだろう」と述べた。(時事)








