ガチャリアン氏が上院議長に 上院分裂劇に幕、カエタノ氏も承認
ガチャリアン上院議長代行が正式に議長就任。カエタノ氏も「降伏」宣言
フィリピン上院で17日、大統領布告に基づく特別会期が開かれ、全24議席の過半数を満たす上院議員13人の投票で、ガチャリアン上院議長代行が新上院議長として正式に宣誓した。ガチャリアン氏は、マルコス政権で5人目の上院議長となった。宣誓はビセンテ・ソット元議長の前で行われた。
先月から麻痺状態となっていた上院の分裂状態がひとまず収束した格好。政権に近いとされるガチャリアン氏が主導権を握ったことで、上院が裁判所となるサラ副大統領への弾劾裁判にも影響しそうだ。
出席した13人には、ガチャリアン派の議員のほか、カエタノ前上院議長を支持していたエスクデロ元議長、ビリャヌエバ議員も含まれた。ガチャリアン派が親ドゥテルテ的なカエタノ前議長派を切り崩したかたち。
ガチャリアン氏を推薦したズビリ上院議員は、同氏について「下院議員、バレンズエラ市長、上院議員としての公職経験を通じ、能力と有効なリーダーシップを一貫して証明してきた」と述べた。
ガチャリアン氏の上院議長就任で空席となった上院議長代行には、ソット氏が就任。ソット氏を推薦したラクソン上院議員は、憲法上必要とされる13票の確保によりガチャリアン氏の選出を可能にしたとして、エスクデロ、ビリャヌエバ両議員の出席と支持に感謝を表明。「エスクデロ、ビリャヌエバ両上院議員に感謝し、称賛しないわけにはいかない。2人は友情や所属、各議員個人、さらには自分自身よりも、上院というわれわれの愛する機関へのより高い使命に応えた」と述べた。
エスクデロ、ビリャヌエバ両議院は治水汚職の疑惑で名が上がっている。同じく治水汚職に関与したとされ、今月はじめに逮捕されたジンゴイ・エストラダ議員は「多数派に協力すれば訴追を取り下げると当局から打診されたが拒否した」と述べていた。
▽カエタノ氏の「降伏」
一方、カエタノ氏はフェイスブックへの投稿で、新上院議長に祝意を示し、新指導部に協力する考えを表明した。また、自陣営を離れる判断をした同僚議員に恨みはないと強調した。
カエタノ氏は投稿で「最後には新たな現実と折り合う以外に道はないと感じた兄弟に対し、恨みはない。どのような圧力がかかったかを見ており、理解している。世論の判断が寛大であることを願う。われわれは敵ではなく、同僚であり兄弟であり、われわれ全員を超える局面に置かれただけだ」と述べた。
さらに同氏は「ビリャヌエバ上院議員と話した後、相手側は近く新上院議長を選出するための票数を得るとみられる。私はその投票を妨げない。民主主義において指導部は永続するものではない。われわれが持つ公職は貸し与えられたものであり、所有物ではない。この議会が合法的に選ぶ者が誰であれ、事前に祝意と協力を表明する」とした。
ただしカエタノ氏は、治水事業を巡る汚職疑惑の追及は続けると表明。「われわれはこの問題の真相を必ず明らかにする。黒幕を見つけ出し、責任を取らせる」と述べた。
同氏はまた、「神に感謝する。この職は一時、私に貸し与えられたものだった。そして国民に約束する。私はいかなる公職、地位、肩書を越えて、できる限り真実を知る権利のために戦い続ける。この約束は人の手に移るものではなく、われわれ全員より長く残る」と投稿した。
▽上院分裂の時系列
26年5月11日 ICCが逮捕状の発付を公表
デラロサ氏半年ぶり登院。上院でソット議長解任、カエタノ氏選出
上院でデラロサ氏の保護を決定
デラロサ氏弁護士が最高裁に逮捕一時差し止め請求
5月13日 上院でアプラスカ氏がNBI捜査員に発砲
5月14日 未明までにデラロサ議員が上院を離れる
デラロサ氏弁護士が再度逮捕差し止めを請求
5月21日 NBIがデラロサ氏に逮捕命令出たと発表
5月26日 遠隔投票に関する規則改定でガチャリアン派10人が議場退席、定足数足りず散会
5月27日 警察がデラロサ氏逃亡援助でパディリャ上院議員を刑事訴追の方針と発表
6月1日 ジンゴイ・エストラダ議員が治水汚職関与で逮捕
カエタノ派登院せず上院が麻痺状態に入る
6月2日 カエタノ氏、ブルーリボン委員会公聴会の4日開催を発表
カエタノ派当院せず麻痺状態2日連続
少数派11人がカエタノ議長に辞任要求
6月3日 カエタノ派エスクデロ氏が少数派に合流、1949年判例を根拠に12議員で上院執行部刷新を宣言。新議長は選出せず
6月4日 カエタノ派が上院公聴会を強行開催。「裏金運び屋」の証言者がマルコス氏らに現金を届けたと証言
6月8日 トゥルフォ氏がブルーリボン委員会開催も元海兵隊集まらず、地震を理由に中断。18人はパディリャ氏の事務所に
トゥルフォ氏が「運び屋」証人3人を名誉毀損で告訴
6月14日 カエタノ派だったビリャヌエバ氏が特別会期に出席表明
6月16日 公務員特別裁判所がジンゴイ・エストラダ議員に90日間停職措置
カエタノ氏が3日の指導部刷新の無効認定を求め最高裁に申し立てたと発表
6月17日 特別会期でガチャリアン氏が議長に選出。ビリャヌエバ議員が多数派入り








