深刻な政治への「エコーチェンバー」の影響 サラ副大統領高支持率のからくり
サラ・ドゥテルテ副大統領が、機密費の不審な使途流用などの疑惑があるにもかかわらず、政府高官の支持率調査でトップの座を維持し続けていることに、多くの人が首をかしげている。ここで論じているのは、疑惑が真実かどうかではなく、疑惑があるにもかかわらずなぜ多くの人々が彼女を支持し続けているのかという点である。
アナリストたちはいくつかの理由を挙げている。ドゥテルテ「ブランド」に対する強い忠誠心、ミンダナオ島やビサヤ諸島における地域的な連帯感や反マニラ・反ルソン島感情、公共の秩序を最優先とし人権問題を二次的なものと考える人々による麻薬戦争への支持、大統領らを含め、「どうせ政治家なんて皆腐敗している」という世論の中で、目立った代替案が存在しないこと。そして、情報エコシステムの過度な影響力とメディアの分断化である。最後の点はこの問題の鍵となり得るが、十分な注目や関心が払われていない。
ドゥテルテ支持を表明するSNSの投稿や動画が、時折、私宛にも直接送られてくる。おそらく、送り主は、私が彼らに共感するか、彼らの固定観念に耳を傾けると考えているのだろう。
世界のトレンドにもれず、多くの比人もすでに、高度にセグメント化されたSNSプラットフォームで主要なニュースや情報を得ている。そのため、特定の公人や政治的信条に対する支持者と批判者は、それぞれ全く異なる情報環境の中にいる。
その結果、批判派が圧倒的だと感じる意見や主張(例えば副大統領の汚職やその証拠に関するもの)は、支持者からは未立証の信じがたいものとして映ることになる。後者は、彼女の功績を強調し、スキャンダルを軽視するコンテンツに絶えずさらされ、既存の信念を強化する「確証バイアス」を助長している可能性がある。
先日、とあるグループチャットで、一人の大学生が書いた「サラ・ドゥテルテ大統領就任が経済にとって良い10の理由」という記事を見かけたが、その主張には一貫して欠陥があり、容易に反論できるものだった。とはいえ、文章は(人工知能の助けがあったかどうかは別として)巧みで、その内容を丸ごと鵜呑みにする読者がいることは容易に想像できる。
これらは、熱狂的なドゥテルテ支持者(DDS)や、過去にSNSで同様の記事に「いいね」をしたことのある人々が、毎日目にするようなものだ。数年前に知り合った明らかなDDSの一人は、積極的にドゥテルテ支持の意見を投稿しているが、彼が最近、カエタノ上院議員の同盟者を「勇敢なる13人」とタグ付けしたのには、私は完全に興ざめした。彼が送ってくるFacebookの投稿や類似の記事を私はほとんど開かないが、わざわざ開いてみた投稿では、コメントのほぼすべてが支持的なものであり、しばしば強い言葉が使われていた。これは、そうした投稿が露出する場が、いかに「エコーチェンバー(反響室)」であるかを示している。
こうした現象の根底にあるのは、Facebook、YouTube、TikTokといった主要なSNSプラットフォームの仕組みだ。これらは、ユーザーの「いいね」やシェア、コメントを追跡するアルゴリズムによって運営されており、表示されるコンテンツは、ユーザーを惹きつける(あるいは中毒症状にさえさせる)ように選定されている。
ドゥテルテ支持のコンテンツに頻繁に反応するユーザーには、さらに多くの同様のコンテンツが表示され、逆もまた然りである。各グループのメンバーは、自分たちが「誰もが考えていること」を見ていると信じ込まされるが、実際には世論の一部に過ぎない情報を目にしているだけだ。そして、このアルゴリズムのせいで、各グループは自己強化的になり、メンバーが別のグループへ移ることはほぼあり得ない。
最近、ドゥテルテ副大統領の支持率が多少低下しているとすれば、その主な要因は、SNSへのアクセスが限られているか、全くない人々によるものであり、彼らの感情はラジオやテレビによって形成されている可能性が高い。
2028年に向けての課題は、こうしたオンライン上の「エコーチェンバー」を打破するような、少なくとも、投票行動への影響を軽減する方法を見出すことだ。そのためには、SNSの専門家や社会心理学の専門家の知見が不可欠である。(9日・インクワイアラー、シエリート・ハビト氏)








