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上院は比の恥さらし 憲法・最高裁判決・民意を踏みにじるな

1888字||政治|新聞論調
新聞論調
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 今月11日の夕方、国民は、比の政治史上最も悪名高い出来事の一つとして歴史に刻まれるであろう光景を目の当たりにした。上院が、サラ・ドゥテルテ副大統領の弾劾裁判を阻止すると同時に、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出されている逃亡中のロナルド・デラロサ上院議員をかばうという、ほぼ同時並行の措置を講じたのである。

 これら二つの行為を行うことで、上院は国家の恥さらしであることを露呈した。憲法、最高裁判所の判決、そして国民の民主的な意思を著しく踏みにじり、ささいな政治的便宜のために、全世界の前でフィリピンを恥じ入らせることを厭わない姿勢を示したのである。

 政治ショーは、ドゥテルテ派の少数派上院議員たちによるビセンテ・ソット上院議長へのクーデターで幕を開けた。彼らは票を集めてソット議長をその職から追放し、アランピーター・カエタノ上院議員を後任に据えた。これは、下院が圧倒的多数でサラ・ドゥテルテ副大統領に対する弾劾訴追案を上院に送付することを可決する前日、アーウィン・トゥルフォ上院議員によって予見されていたことだったが、その警告は実を結ばなかった。

 もちろん、ソット氏はドゥテルテ氏に対する訴追を先取りして判断しないよう慎重を期しつつも、弾劾訴追状が受理されれば、上院が「直ちに」弾劾裁判所を設置するという憲法上の義務を果たすよう徹底すると明言していた。

 一方、カエタノ氏はそのような約束を一切しておらず、むしろ、上院指導部の交代が差し迫った弾劾裁判とは無関係であると、同僚議員や国民を説得しようと、かなり説得力に欠ける試みをした。カエタノ氏は、自分にとって有利だと判断した政治陣営やイデオロギー的立場には何でも迎合してきたという前歴があるため、彼の言葉を信じた者は誰一人としておらず、我々もまた信じてはいない。

 カエタノ氏とその支持者たちは、世論だけでなく憲法にも反する立場にある。複数の世論調査によると、フィリピン国民の圧倒的多数が、副大統領に対し、彼女に対する疑惑について責任を問うべきだと考えている。

 11日の月曜夜に立ち上げられたオンライン署名活動では、サラ氏の裁判を求める50万人の認証済み署名を目標としていたが、火曜日の早朝までに430万人の署名が集まった。ドゥテルテ氏は一貫して自身の無実を主張し、弾劾手続きを政治的な魔女狩りだと批判してきたが、それと同じくらい頑なに弁明を拒み続けてきた。上院での弾劾裁判において、彼女がようやく弁明を行うのではないかと期待されていた。

 何しろ、2028年の大統領選への立候補が予想される彼女を支持する人々からすれば、弁明が成功し無罪判決が下れば、彼女が切望する最高職への道が開ける可能性が高いからだ。その代わりに、上院の味方に頼って政治的駆け引きによって適正手続きを妨げようとするのは、彼女を取り巻く根強い疑問が今後もくすぶり続けることを意味する。こうした行いは、自身の無実を確信している者の振る舞いではないと言う人もいるかもしれないが、その判断は国民自身が下すことになるだろう。

 月曜日の夜の上院での騒動がそれだけにとどまっていれば、それで十分だっただろうが、その夜の「サーカス」には、デラロサというサプライズゲストが登場した。彼は潜伏先から姿を現し、ソット氏を罷免するための投票を行ったのだ。

 日曜日の時点で、ICCが逮捕状を発行したという報道があったが、ICC側は公に発表されたものではないと述べていた。しかし月曜日には令状が公表され、それがデラロサが姿を現した理由であることがすぐに明らかになった。国家捜査局(NBI)の捜査官が上院に到着すると、カエタノは上院庁舎の封鎖とNBI職員の退去を命じた。だがその前に、デラロサは彼らを建物内での滑稽で恥ずかしい追跡劇へと巻き込み、その映像は瞬く間にネット上で拡散された。

 カエタノ氏は、ICCの逮捕状が比の裁判所に提出され、承認されるまでは、「少なくとも上院が逃亡中のデラロサ氏を保護する」と述べている。この発言は、最高裁判所自体が2021年の判決ですでにそのような逮捕状の有効性を確認しているという事実を、無知にも無視している。

 この長文の判決は、2019年の比によるローマ規程からの脱退を有効とした一方で、同条約の規定が脱退前の期間に及ぶ事件にも適用されることを確認した。これには、被疑者の議員または閣僚としての免責特権を逮捕回避のために主張することはできないという規定も含まれているのだ。(13日・マニラタイムズ社説)

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