海洋安全保障やAI活用で合意 第48回ASEAN首脳会議が閉幕
ASEAN首脳会議は海洋安全保障の強化や人工知能の利活用、気候変動対策などを柱とした複数の重要合意を採択し閉幕
ビサヤ地方セブ州のマクタン・エキスポセンターで開催されていた第48回東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議は8日、海洋安全保障の強化や人工知能(AI)の利活用、気候変動対策などを柱とした複数の重要合意を採択し、閉幕した。議長を務めるフェルディナンド・マルコス大統領は記者会見で、フィリピンへの「ASEAN海洋センター」設置を含む海洋協力宣言の採択を主要な成果として発表した。
採択された「海洋協力に関する首脳宣言」は、航行の安全や地域の調整能力向上を目的としており、比が提唱した海洋センターは、多角化する海洋問題に対処するための新たなプラットフォームとなる。
また、災害対応の分野では、新たな緊急対応枠組み「ASPECT」が導入された。これは域内の緊急調整メカニズムを強化し、包括的な変革を目指すもので、気候変動リスクの低減における若者の役割を強調する宣言も併せて採択された。
デジタル分野では、AIやデジタルツールがエネルギー需要予測や食料システム監視、社会保護の提供において果たす役割を承認した。ただし、これらの技術活用にあたっては「説明責任」と「国際基準」の遵守を前提とすることを明記。急速な技術革新を地域の成長に結びつける一方、ガバナンスの重要性も示した。
このほか、アジア開発銀行(ADB)との連携強化も確認された。域内の送電網構想「ASEANパワーグリッド」や資本市場の整備、ブルーエコノミーなどの主要プロジェクトに対し、ADBが支援を継続する方針が示された。
マルコス氏は、19年ぶりとなるASEAN憲章の改正(セブ議定書)についても改めて言及し、東ティモールの統合を含めた「より包括的な地域共同体」への進化を強調。2045年までの長期ビジョンの実施に向け、大きな一歩を踏み出したと総括した。
ASPECTは、「ASEAN緊急・包括的変革戦略プロトコル」の略称。従来よりも迅速かつ組織的な災害対応を可能にするための新たな戦略的枠組みで、頻発する自然災害に対し加盟国間のリソースや情報をより効果的に統合することを目指す。








