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政策金利5.50%に引き上げ BSP、市場予想超す引き上げ幅

1401字|||経済

BSPが政策金利を5.50%に引き上げ、予想超える大幅利上げで物価高に対応。4月以降の累計引き上げ幅は1.25%に

フィリピン政策金利の推移(比中銀データより作成)
フィリピン政策金利の推移(比中銀データより作成)

 フィリピン中央銀行(BSP)の金融委員会は22日、政策金利である翌日物借入金利(RRP)を0・5%引き上げ、年5・50%とすることを決めた。利上げは4会合連続で、今年4月以降の累計引き上げ幅は1・25%に達した。事前報道では多数のエコノミストが0・25ポイントの利上げを予想しており、実際の引き上げ幅は市場予想の2倍となった。中東情勢の緊張による原油高や交通運賃の値上げなどでインフレ圧力が広がる中、景気回復への影響を伴う大幅な金融引き締めに踏み切った。今回の決定に伴い、翌日物預金金利は5・0%、翌日物貸出金利は6・0%にそれぞれ引き上げられた。

 比中銀は声明で、今後数カ月間はインフレがさらに加速し、2027年も高止まりするとの見通しを示した。物価上昇率が目標の3%に近づくのは28年になると予測。食品やエネルギーなど変動の大きい品目を除いたコアインフレ率も上昇が続き、基調的な物価上昇圧力が強まるとみている。

 インフレ上振れの要因として、中東情勢の緊張再燃に伴う国際原油価格の上昇や交通運賃の値上げを挙げた。エルニーニョ現象による農業生産や食料価格への影響も警戒する。BSPは、物価上昇圧力が幅広い分野に波及していることを踏まえ、強い金融政策対応が必要と判断した。今回の利上げにより金融政策を適切な引き締め水準とし、物価高の二次的な波及を抑えるとともに、将来のインフレ期待を安定させる狙いがある。

 比統計庁(PSA)によると、9月の消費者物価上昇率は前年同月比7・2%となり、8月の6・1%から加速した。コアインフレ率も8月の4・1%から4・7%に上昇。物価高がエネルギーや食品以外にも広がっている。

 今回の大幅利上げは市場の大勢の予想を上回った。ロイター通信の調査では27人全員が0・25ポイントの利上げを見込んでいた。一方、比中銀のギニグンド元副総裁は決定前の19日、地元紙ビジネスミラーに対し、インフレ見通しが大幅に悪化しているとして、0・5ポイントの予防的な利上げを提言していた。同氏は、物価高が長期化するリスクと、金融引き締めによる成長や信用供給への負担を比較する必要があると指摘していた。

 ペソ安も市場関係者が大幅利上げを予想する要因となっていた。BPI(フィリピン・アイランズ銀行)のネリ主任エコノミストは決定前、ペソ相場が1ドル63ペソを超えて下落したことで追加利上げの必要性が高まったと指摘。64ペソに近づけば0・5ポイントの引き上げも考えられるとの見方を示していた。

 マルコス政権下の政策金利は、発足時の22年6月末には2・50%だったが、23年10月に6・50%まで上昇。その後、24年8月から利下げに転じ、今年2月には4・25%まで低下した。しかし、4月に利上げを再開し、6月、8月に続いて今回も引き上げた。政策金利が5・50%となるのは25年4月以来、約1年半ぶり。

 一方、国内景気は低迷している。PSAによると、今年4~6月期の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比2・3%にとどまり、総資本形成は9・2%減少した。金利上昇は企業の資金調達や家計の借り入れを通じて景気回復の重荷となる可能性がある。BSPは財政措置に支えられて国内経済活動が回復するとの見通しを示す一方、物価安定のため必要に応じて追加の金融政策措置を講じる方針を表明した。

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