フィリピン新聞

マニラ
33度-25度
両替レート
1万円=P3,950
$100=P6230

財政余地、GDP比最大7.1% 世銀、税基盤拡大や支出効率化を提言

715字|||経済

税・歳出改革でGDP比最大7.1%の財政余地、世銀が改革提言

世界銀行本部
世界銀行本部

 世界銀行グループは、フィリピンが税基盤の拡大や徴税効率の改善、公共支出の効率化を進めれば、年間で国内総生産(GDP)比3・6~7・1%に相当する歳出削減と追加歳入を確保できるとの報告書をまとめた。財政の持続可能性と包摂的成長は両立可能だとして、歳入・歳出両面で一段の改革を求めた。

 世銀は改革策を、行政主導で早期に実施可能な施策、法改正・制度改革を要する施策、保健・教育など人的資本への支出改善の3分野に整理した。

 行政主導では、政府調達の集約、納税手続きの簡素化、法人税優遇措置の整理、未計上歳出枠の制限強化などを挙げた。特に政府調達改革だけで年間最大4350億ペソの歳出削減が可能としている。

 歳入面では、電子インボイスや税務調査の拡大、付加価値税(VAT)免税措置の整理、財政管理システムの近代化などを提言。法定税率を引き上げなくても歳入増が可能だとした。一方、貧困・脆弱世帯への現金給付を拡充し、改革による負担を軽減する必要性も指摘した。

 人的資本分野では、保健、教育、社会保障予算の対象をより適切に絞り込むことで、予算総額を増やさずに政策効果を高められるとした。各社会保障制度で共通して利用する受給者登録制度を整備すれば、約200万人を貧困から脱却させる効果が見込めるとしている。基礎教育の改善や医療扶助制度の効率化も、教育成果の向上や医療費負担の軽減につながるとした。

 世銀のムスタファオール局長(フィリピン・マレーシア・ブルネイ担当)は、比が上位中所得国入りしたことに触れ、GDP比3・6~7・1%の財政余地について、教育や医療、貧困削減に充てることで次の成長段階を支えられるとの見方を示した。

経済