フィリピン新聞

マニラ
33度-25度
両替レート
1万円=P3,950
$100=P6235

26年成長率3.3%に下方修正 公共投資回復遅れ、ASEAN新興国で7位

1184字||経済

ADBが比26年成長率を3.3%に下げ、公共投資回復の遅れを指摘

ASEANの成長率・インフレ率予測(ADBの9月予測)
ASEANの成長率・インフレ率予測(ADBの9月予測)

 アジア開発銀行(ADB)は23日、9月版「アジア開発見通し」を発表した。その中で、フィリピンの2026年の国内総生産(GDP)成長率予測を7月時点の3・8%から3・3%へ0・5ポイント下方修正した。政府は6月、26年の成長率目標を5・0~6・0%から3・5~4・5%へ引き下げているが、ADBの3・3%予測は、その下限をさらに0・2ポイント下回る。

 ADBは国内要因として、公共投資の回復が想定より遅れていることを挙げた。3・3%はADBが個別予測を示したASEAN10カ国中7位で、ASEAN全体の4・7%を1・4ポイント下回る。

 ▽公共投資の回復遅れる

 バーン主任エコノミストは会見で、公共投資の回復がADBの想定より遅れていることが、国内面で成長率を下押しした要因の一つだと説明した。世界的な金融環境の引き締まりもフィリピンの消費と投資に影響しているほか、エルニーニョ現象も下押し要因になるとした。

 メンドーサADB主任経済担当官は、予算管理の厳格化による事業実施の遅れが公共インフラ支出の減少につながったと説明した。9月版は今年上半期の投資が弱かったと指摘し、中東紛争の長期化に伴う輸入燃料や肥料などの価格上昇も、経済活動を予想以上に押し下げたとしている。

ADBフィリピン事務所のジェフリーズ代表は、外的・国内ショックを乗り切るには、社会部門や重要インフラへの計画投資を政府が適時執行することが重要だと強調した。

 ▽ASEAN新興国で7位

 ASEANでは、26年成長率予測はベトナムが7・8%で最も高く、インドネシア5・2%、マレーシア4・9%、ラオスと東ティモールが各4・0%、カンボジア3・9%と続き、フィリピンは7位だった。フィリピンを下回ったのはミャンマー2・2%、タイ2・0%、ブルネイ1・2%。ASEAN全体の成長率予測は、個別値が表に掲載されていないシンガポールを含む11カ国で4・7%だった。

 27年のフィリピンの成長率予測も7月時点の5・3%から5・1%へ0・2ポイント引き下げた。ただ、ADBはサービス業と製造業、公共建設の持ち直しに加え、重要インフラを含む政府支出が成長を支えると予測している。

 インフレ率は26年を5・9%に据え置く一方、27年は3・9%から4・4%へ0・5ポイント上方修正した。ADBは食料価格を主要な物価上昇要因とし、エルニーニョによる農業生産への影響をリスクに挙げた。メンドーサ氏は、コメや燃料、交通費の上昇に加え、ペソ安も輸入物価を押し上げているとの見方を示した。

 ADBの神田真人総裁は今月7日の記者会見で、当時の3・8%成長予測について、達成には下半期の公共投資の執行と家計消費の力強い回復が必要だと説明し、公共投資の大幅な加速が必要との認識を示していた。

経済